塾選び

 

進路探究塾 Mirai は小1生から高3生までを対象とした集団指導と,私立中高一貫校に通う生徒を対象とした個別指導を行なう進学塾で,2015年 3月に開塾したばかりの新しい塾です。

開塾から 3ヶ月半が経過しましたが,この間多くの方に当塾をお選びいただき,日を追うごとに賑やかさを増してきております。本当にありがとうございます。

 

当塾の指導を端的に言い表すと,“ひとつの場所で完結できる大学合格までの一貫指導” と “将来を見据えた指導” です。

中学生を例にとると,定期テスト得点向上や高校合格だけにとどまらない大学合格までの一貫指導を,映像授業に頼ることなく “集団指導+個別指導” で実現したのが私たちの指導です。

当塾は長い目で見た指導を行なう塾ですから,生徒や保護者様が「とにかく定期テストの得点を上げたい」というお考えをお持ちの場合,当塾はまったく合わないでしょう。

 

一口に塾と言っても,集団指導と個別指導,進学塾と補習塾,企業体と個人経営などさまざまな形態があります。

私は大手進学塾 (高校受験をメインとした中学生指導が中心の企業体) で18年の指導経験があり,複数校舎の統括も長年任されておりました。

夏を直前に控えたこの時期に塾を検討されるご家庭も多いでしょうから,私の過去の経験も踏まえて今回は “中学生・高校生の塾の選び方” に関して綴りたいと考えております。

 

ちなみに,私には中2生 (公立中) の娘と小5生 (もちろん公立小) の息子がおります。

塾教員としてのキャリアは18年を超えましたが,親となり初めて気が付けたことがたくさんあり,わが子を持つまで “わかったつもり” に過ぎなかったことがいかに多かったかを思い知らされました。

ですから,今回は “保護者としての観点” も交えながら綴らせていただきます。

 

まず,指導形態に関してです。

集団指導でも 6名から10名くらいの規模であったり20名を超えていたり,個別指導でも 1 : 1 のものから 3 : 1,さらには個別指導と呼べる代物ではないと考えますが 6 : 1 なんてのもあります。

お子さまにとって集団指導と個別指導のどちらがフィットする指導形態なのかを判断する必要があることと,集団指導・個別指導でもその種類はいろいろあるということを覚えておく必要があります。

いずれにしても,体験受講を経たうえでご検討されることをお勧めします。

 

さらには進学塾か補習塾かで方向性は異なります。

受験合格を目標とした進学塾,定期テスト対策指導や内申確保指導が中心の補習塾兼進学塾,学校の進度の後追いを基軸とした補習塾。

中学生向けの塾はまさに玉石混淆の状態で,きっちり区分することはかなり難しいように感じます。

何を目標に据えるのかで塾選びも変わってきます。

お子さまにとって何が最も必要なのか。それは定期テストなのか,高校受験なのか,あるいはその先なのかによって慎重に吟味しなければ,中学校卒業時に後悔の念が残ることになりかねません。

 

中学生向けの塾で言えば,「〇〇中 (公立) の定期テストで120点アップ!」などと謳い文句を見かけますが,保護者としての観点を入れれば前後の結果もきっちり提示してもらいたいところです。

合計点が230点だったものが350点になったのと350点が470点になったのとでは同じ「120点アップ」でも中身が全く異なりますからね。

どの生徒も一律に120点上げるなどということは不可能だと思いますし,さらにはどうやってそれだけの得点を上げたかの方法も重要視すべきです。

それが予想問題や過去問の雁字搦めで獲得したものであれば,生徒自身にテスト後よほどの意識改革がなければ,その生徒はずっとそれに縋って学習しなければならなくなります。

 

高校生向けの塾で言えば,定期テスト対策指導もします,一般入試での大学受験指導もしますというのは,卒業時に「二兎を追うものは一兎をも得ず」の結果になってしまうおそれがあります。

あくまで私見に過ぎませんが,先日のブログでも取り上げたように中学生と高校生は学習スタイルそのものが異なりますから,どちらかに振った形態のほうが望ましいと考えます。

いくら高校の定期テストで得点を重ねたところで志望する大学に合格できる保証はありませんし,高校は中学校の延長線上のようで延長線上ではないのです。

私立大に各種推薦入試での合格を目指すなら話は別です。このケースの場合は,個別指導塾や家庭教師などで定期テスト対策と内申確保に特化した指導を受けるべきでしょう。

 

当塾を『推薦する声』に寄稿してくれた河合くん櫻井くんを指導していた頃も,私を含めた彼らの授業担当者は定期テスト対策指導を一切行ないませんでした。

上位高に通う意識の高い生徒なら,定期テストの学習程度であれば科目を問わず自分で熟せます。というより,難関大を目指すならできないとだめです。

高校の定期テストに関しては,あくまでも私たちは彼らが自習に来た際や授業後などに質問を受けるだけに過ぎませんでしたが,学年順位は 1桁や20位以内には常に入っていたようです。

 

高校の場合は入学の段階で学力レベルの選別がある程度完了しております。

上位高ならほぼ全ての生徒が一般入試で大学合格を目指し,各種推薦入試を経て大学に入学する生徒は少数派です (一部の高校では受験の雰囲気を乱さないために箝口令を敷くのだとか)。

逆に中位高で大学合格を目指す場合は各種推薦入試を経て大学に入学するケースがほとんどです。

最近は国公立大でも推薦入試を実施するところが増えつつありますが,割り当てられた定員がそれほど多くありませんからこれを第一志望に設定することは非常に危険です。

広く門戸の開かれた (定員が多く設定された) 一般入試での大学合格を目指すほうが無難だと言えます。

 

中学生・高校生を問わず,塾を選ぶ際は明確な方向性がきっちりと示され,その方向性がご家庭やお子さまのそれと合致できるところを選ばなければなりません。

 

最後に企業体か個人経営かに関してです。

複数校舎を展開する企業体の場合,全ての校舎で各種クオリティが均一であることはまずあり得ません。均一なのはテキストくらいです (これも校舎責任者の色が入ることもあり断言できません)。

私は以前に勤めていた塾で複数校舎の統括をしておりましたからよくわかります。自身の統括する各校舎の足並みとクオリティを揃えるのに腐心し続けていました。

 

よって,企業体にせよ個人経営にせよ,最終的に塾は “人” なのです。

その塾の塾長,企業体であればその校舎の責任者や授業を担当する教員とフィーリングが合うか。お子さまはもちろん保護者の方も含め,ここは慎重に見定めることが必要です。

どれほど崇高な目標を掲げていても,どれほど高い指導実績や合格実績が踊っていても,塾とお子さまが合わなければ望むものは得られないのです。

 

最後に,どのような形態の塾であっても,お子様も保護者様も納得したうえで選びたいのであれば,実際の指導中の様子や生徒がいる時間帯の塾内の様子を目にするのが一番です。

お子様は体験受講,保護者様はその体験授業の様子,または別日で見学させてもらうと,チラシはもちろん,ネットや伝聞では知り得ない内部の状況や真相を窺い知ることができます。

これを「生徒の気が散るから」などの理由で拒む塾は,見られると困る何らかの理由を抱えているのかもしれません。

 

その塾に通わせ始めることで何かを変えさせたい,現状を打開させたい,わが子にこんなふうになってほしい等,様々な想いや願いを込めて保護者様は塾へお子さまを預けることと思います。

上記したように,塾選びはつまるところ “人” です。一つ参考まで。

 

確たる信頼関係を築くために

 

時折ではありますが,授業後の時間に生徒たちと談笑することがあります。学校での出来事や昔話など,会話に花が咲いてこの時ばかりは楽しいひと時を過ごします。

写真は当塾の教員が撮ってくれたもので,私と生徒たちが彼らの中学時代を振り返っての話で談笑していた時のものです。

 

生徒とは授業だけのつながりではなく,質問受付や各種相談を受けたり,こちらから様々なことで指示・指摘することもありますし,くだらない話で談笑することもあります。

当塾は少人数定員制を敷いておりますから,生徒一人ひとりに目を届かせることが可能ですし,どの生徒とも分け隔てなく接します。

例えば,いわゆる成績優秀な生徒だけを可愛がるとか,目をかけるという考えは私にはありません。当塾に通う生徒は皆同じ,当然のごとく “一律の扱い” なのです。

私たちは対面教育を行なう塾ですから,とにかく対話を重視する。これに尽きるというわけです。

 

これまでのキャリアにおいても,私は生徒たちに対して同様の接し方をしてきました。

以前に勤めていた塾は高校受験がメインの塾であったものの,私が責任者をしていた校舎では生徒や保護者の方の要望に応える形で高校生もしっかりと学べる環境の整備をしました。

先日のブログでも紹介しましたが,ここに進路探究塾 Mirai の原点があるのです。

結果として多くの生徒と中・高または小・中・高と長きにわたって間柄が続くことになり,卒業後も彼らと塾という枠組みを超えた間柄が継続しているというわけです。

 

生徒たちの人生における数々の成長の瞬間に携わり,人生の岐路となる数々の場面に自分が関われたことは本当に幸せなことだと感じています。

私のもとを離れて以降,社会へ出てからも相談してくれたり,帰省した際は顔を出してくれたりと,私たちの間には非常に深く強い絆があるのです。

 

2015年 3月に開塾したばかりの進路探究塾 Mirai においても,生徒たちの成長をサポートしつつ,確たる信頼関係を礎として生徒たちと共に成長を続けていく決意であります。

 

書店

 

私は 2日から 3日に 1度のペースで書店へ行きます。

写真は県営名古屋空港の『紀伊國屋書店』です。出勤前によく訪れており,本日も行ってきました。

 

あれこれと考え事を巡らせながら 1時間程度車を走らせ,書店に着くと何冊かの書籍に目を通して自分用・生徒用など数冊購入する。

車中での考え事をする時間は私にとって大切な時間であり,仕事上のいろいろなアイデアや打開策が得られる絶好の機会です。

その上,書店に着けば “宝探し” に没頭できるとあって,出勤前のこの時間は私にとって不可欠なものなのです。

 

話は変わりますが,岐阜市のマーサ21内に『丸善』が 7月にオープンするとのことで,日頃から頻繁に書店に行く私にとっては嬉しいニュースであります。

売り場面積が700坪を超えるらしく,ジェイアール名古屋高島屋の『三省堂書店』の550坪を上回る広さということで非常に楽しみです。

※ 名古屋の『三省堂』は来年に移転でおよそ倍の広さになるらしいです。

 

私は,書籍はネットではなく専ら書店で購入します。

書籍の購入は軽くまたは一通り目を通してからにしており,これを確立させたのは学生時代に遡ります。

 

私は学生時代にも足繁く書店へ通っていました。中でもよく通ったのは大阪難波・千日前の『ジュンク堂書店』です (ローカルネタで申し訳ありません)。

新喜劇で有名な『なんばグランド花月』の正面という立地で,難波が私の通学経路上の乗り換え駅であったことも関係しています。

 

『ジュンク堂』はその圧倒的な売り場面積に売れ筋から専門書まで豊富な在庫と洋書のラインナップが魅力的で,神戸三宮の本店や京都四条店にもよく行きました。

他の書店には在庫がなくても『ジュンク堂』に行けばあるという安心感もありました。

 

千日前の『ジュンク堂』は900坪という広い店内のあちこちに椅子が設置されており,時間を忘れて読書に没頭なんてことが多々ありました。

書店でのいわゆる “座り読み” は今でこそ一般的になっておりますが,90年代の当時では革新的なスタイルでした。

じっくりと読み込んで購入,先日読み込んだものがやっぱり欲しくなって購入ということを繰り返していたと回顧します。

 

私は学生時代から書籍に惜しみなく投資してきました。

今後もこれは継続していくつもりですし,知識や教養を得る手段としてだけでなく,知見を広げて深める手段として読書を継続していきたいと考えております。

 

先日のブログ『読書の効用』でも取り上げましたが,当塾では生徒たちに読書を推奨しており,小中学生だけでなく高校生にも月に 1冊以上の読書を課しております (小説を除く)。

探究コーナーの設置は読書推奨の一環であり,子どもたちには読書を通じて人生を豊かなものにしてもらいたいと願っております。

 

日本史の学習

 

当塾の高2生集団指導コースに在籍する生徒16名のうち,8名が日本史選択です。

理系が 3名,文系が 5名という内訳で,理系で日本史という “渋い選択” をする生徒が多いことが嬉しいです。理系なら地理とか誰が決めたのでしょうねぇ。

 

かくいう私も理系の日本史選択でありました。

学んだ量がダイレクトに得点に反映される日本史は私の得意科目であり,各種模試やセンター試験本番においても15分とかかりませんでした。

日本史の指導を担当しておりませんが,センター直前期には毎年受験生諸君とセンターパックの日本史の問題で得点を競い合っています (負けたのは一度だけ)。

 

受験生時代,私は日本史をかなりやり込んだと記憶しています。

昼食をとりながら,友人たちと “高校生クイズ” ばりの難問奇問をぶつけ合っていました。

 

今回,多くの高2生たちのテスト範囲であった 7世紀までの範囲でいうと以下のような出題になります。

 

1. 磐井の乱を鎮めたのは誰か。

2. 崇峻天皇を暗殺したとされるのは誰か。

3. 日本において条坊制が初めて採用されたのはどこか。

※ 4. 『岩宿の発見』を著した相沢忠洋の本業は何か。

※ 5. 1784年,志賀島で金印を発見したとされる農夫の名を答えよ。

 

A.  1. 物部麁鹿火 2. 東漢直駒 3. 大宰府 (都に限定すると藤原京)  4. 豆腐屋 5. 甚兵衛

 

どれも教科書範囲を逸した,いわば “趣味の領域” であり,だからどうしたいう類のものです。

当然ながら定期テストや入試には出題されないものばかりでしょうし,出題されたところで得点差にはならない部分ですから,ここに時間をかけるくらいなら本流の部分をしっかり学ぶべきです。

先日の日曜日,自習室で日本史の学習に取り組んでいた当塾の日本史好きの生徒たちに上記の問題 (上記は一部) をふっかけると,知的好奇心に火がついたのか目を輝かせまくっていました。

 

私が受験生時代に取り組んだものは,山川出版社の教科書と用語集・図録の読み込み,そして『書き込み教科書』くらいのもので,あとは高校のワークをしっかりやるという感じです。

日頃はもちろん定期テスト前に流れや用語に関してしっかり把握しておりましたから,受験前だからといってバタバタしませんでした。

受験対策という観点では,高3生の夏に軽く自分で予習した近現代史の確認と苦手だった文化史の確認のために Z会の問題集 2冊に取り組んだのみです。

 

社会の各科目は,教科書をしっかり究めればセンター試験で 9割とることはなんてことありません。二次にも十分対応できると文系の友人たちも言っていました。

もちろん “究める” というのは上っ面の用語のみ暗記しまくるということではなく,流れや背景をもしっかり理解しつつということです。

日本史に限ったことではありませんが,基礎知識 (各種用語・背景) と流れが欠落した状態で無暗に問題集をやり込んでも点数には結びつかないのです。

 

日頃の学習を大切にし,あれこれ手を出さずにとにかく基礎を徹底的に固める。

これと決めた 1冊を究める《続編》』の回にも申し上げましたが,このことはあらゆる科目の学習に通じていることです。

 

良い習慣

 

今回は当塾の生徒たちの “良い習慣” を紹介したいと思います。

 

まず 1枚目は15時頃の自習室の様子。テスト中である岐阜高・岐阜北高・岐阜東高・長良高の生徒12名が集中して取り組んでいます。

定期テスト中は昼間から多くの生徒が自習室にやって来ます。当塾の生徒たちの “良い習慣” です。

家だと寝てしまったり,携帯が気になってなかなか集中できませんからね。ここならそれも大丈夫です。

 

 

当塾の生徒たちは自習時や授業時に出る消しかすを机の隅に固めて置いておき,休憩のときや帰宅時にまとめてゴミ箱に捨ててくれます。

掃除する側の立場に立った “良い習慣” であると思います。みんな,いつもありがとう。

 

 

お迎えを待つとき,生徒たちは私たちと談笑することもありますが,読書をして待つ生徒も多くいます。

読書といってもさまざまで,当塾は理系の生徒が多いことから『Focus Gold』や『赤チャート』の数学コラム,『Newton』を読んでいる生徒が目につきます。

 

 

写真の『赤チャート』を立ち読みしている生徒は滝中に通う当塾の個別指導専科コースに在籍する中3生で,当塾の授業では数IA をほぼ修了しています。

先日の中間テストでは数学が 295点/300点と足元もきっちり固めつつ,塾では先行した内容に特化して授業を行なっているというわけです。

定期テストが終わったからと,当塾の探究コーナーにある『Newton』別冊の『太陽系の成り立ち 誕生からの 1億年』を家で読みたいということだったので貸し出しました。

 

なお,英語は私が指導を担当しており,数学と同様に先行した内容をどんどん消化しています。

小4生になる頃から指導してきましたが,この生徒に理解力があるのは言うまでもなく,学びたい,知りたいという貪欲さが何よりのエネルギー源です。

この生徒の目指すところは明確に決まっていますから,私たちはそれをしっかりサポートしていく決意です。

 

ブログ画像の撮影に使用しているカメラ

 

“塾長ブログ” をご覧いただいた方に,「綺麗な写真が多いですね」とお褒めの言葉をいただくことがあります。

 

私は文章に自信がありませんから,せめて写真だけでもとある程度こだわっています。

とは言っても,カメラの専門知識が豊富というわけではありません。たくさん撮って “まぐれの 1枚” を選出する,ただそれだけです。

 

最近よく使用しているのが Canon の EOS M というミラーレス一眼で,私のような素人でも綺麗に写せます。

Canon はフィルムの一眼レフからコンパクトデジカメ,そしてデジタル一眼レフと使用してきましたが,この EOS M は一眼レフとコンパクトデジカメのいいとこ取りで本当に良いです。

EOS M は非常に軽いので取り回しがしやすいうえ,所有している EF レンズ群を装着できるのが何より嬉しいです。

 

仕事だけでなく,プライベートでも手放せない 1台になりました。

 

教え子との再会 Vol. 002

 

この連休は帰省した教え子との会食が数件ありました。

大学生・社会人とさまざまですが,どの教え子も,私のもとを巣立って以降も目標を持って立派に成長し続けていることが私には嬉しいのです。

 

写真は京都大学工学部情報学科で学んでいる大学2年生。当塾へ訪問してくれた後,名古屋のラーメン店で撮影したものです。

当塾ホームページ内の “推薦する声” にも登場してもらっています。

ラーメン店に向かう車中や,食事を取りながら将来の展望について熱く語ってくれました。

 

彼は中1生から高3生までの 6年間,私が以前に勤めていた塾で学んでいました。

私が以前に勤めていた塾は小中学生の指導と高校受験がメインであったため,大学受験に関しては塾としてのノウハウがほぼない状況でありました。

私の受け持っていた校舎は高校進学後も通塾を希望する生徒が多かったことに加え,私がたまたま大学受験指導も可能であるということから英語は私が担当しました。

さらに,他の科目は名古屋大学など地元の国公立大に進学した教え子の大学生を講師として登用し,数年かけて高校生を指導できる体制を整えたというわけです。

進路探究塾 Mirai の指導スタイルの原点がここにあり,その間は本当に多くのことを学ばせてもらいましたし,随分と成長させてもらいました。

 

話を戻します。

彼が志望校を京都大学に決めてからというもの,それはもう努力に努力を重ねていました。授業時はもちろん,足繁く毎日通ってくれた自習室での彼の放つオーラがそれを物語っていました。

 

 

写真は彼が京都大学の過去問題を解いて,それを私が添削したものです。

センター試験に関しては夏の時点で 9割を切らないレベルに到達しておりましたから,以降は英語だけでなく数学・物理・化学・国語も含めて二次対策に重点を置いた指導をしておりました。

競争倍率が3.8倍とやや高めではあったものの,2月の直前期の完成度が高かったこともあって無事に現役で合格を掴み取りました。

 

彼は岐阜高校の出身ですが,この年の岐阜高校の京都大学合格者総数は15名 (41名が受験) で,うち現役合格者数は 7名 (27名が受験) と聞いております。

さらに,工学部だけで見ると合格者総数は 5名 (17名が受験) で,うち現役合格者数は 2名 (11名が受験) とのことです。この 2名のうち 1名が写真の彼です。

京都大学ほどのレベルともなると,岐阜高校に通う優秀な学生たちでも一筋縄ではいかない高い壁だということを数字が物語っています。

 

早い段階で各種の取り組みにかかり,計画的に熟していく。

私たちはこの計画のサポートをし,日頃の授業や質問受付はもちろん,科目を問わず二次対策の添削指導をきっちりと遂行する。これが進路探究塾 Mirai の目指すところなのです。

 

読書の効用

 

連休前より,先日のブログでも紹介した “探究コーナー” の書籍貸し出しを開始しました。

一番人気は『Newton 別冊』で,建築学の書籍,哲学の書籍,啓発書がそれに続いています。

 

書籍を通じて先人の考え方やその価値観に触れ,それらを自身の仕事や生き方に反映させる。

私にとって,学生時代から読書はこの位置づけです。

 

当塾では,生徒たちに月 1冊以上の書籍を読むことを課しています (ジャンルは問うておりません)。

読書は人生を豊かなものにするだけでなく,論理的思考力を磨くのにうってつけの手段だと考えているからです。

 

生徒たちにはテストで点数が取れればよい,成績が良ければよい,志望校に合格できればよいというような,学力があるだけの薄っぺらい人間になってもらいたくありません。

日々の学習に愉しみながら取り組むのはもちろんのこと,読書を通じて多種多様な学問や考え方に触れ,一つひとつの達成と日々の自己成長を重ね続けてほしいと願っております。

 

東京大・京都大の合格者数《2015年春・高校別》

 

今春の高校別の東京大・京都大の合格者数がおおよそ判明しております。

岐阜県内の東京大・京都大の合格者数,および高校別の合格者数は以下の通りです。

 

東京大16名 (昨年30名)

《内訳》岐阜高12名,可児高 2名,大垣北高 1名,岐山高 1名

京都大43名 (昨年46名)

《内訳》岐阜高15名,大垣北高 8名,多治見北高 4名,関高 3名,可児高 2名,岐山高 2名,岐阜北高 2名,麗澤瑞浪高 2名,斐太高 1名,鶯谷高 1名,岐阜東高 1名,高山西高 1名,美濃加茂高 1名

 

東京大の合格者数がおよそ半減など,いずれも昨年より合格者数が減少しております。

東京大・京都大に合格することがすべてではありませんし,岐阜大などの国公立大医学部に優秀な受験生が流れたために上記のような結果になったと考えられなくもありません。

しかし,旧帝大をはじめとするいわゆる難関国公立大は都市部の私立中高一貫校に分があると言わざるを得ないというのが実状です。

 

その最たる例が,私の実家のある奈良県の数字に表れています。

奈良県内の東京大・京都大の合格者数,および高校別の合格者数は以下の通りです。

 

東京大65名 (昨年62名)

《内訳》東大寺学園高32名,西大和学園高28名,奈良高 2名,帝塚山学園高 2名,奈良学園高 1名

京都大232名 (昨年212名)

《内訳》西大和学園高81名,東大寺学園高70名,奈良高35名,帝塚山学園高17名,奈良学園高 7名 ほか

 

突出した 2高は私立中高一貫校であり,4位・5位も同じく私立校です。

奈良県の人口は岐阜県のそれよりも少なく 3分の 2ほどですが,東京大・京都大の合格者数でこれほどの差が生まれるのは理由があります。

この 2高が優れた教育を実践していることによって,奈良県内に限らず県外からも優秀な生徒を集めることに成功しているのです。

 

今回,こういった論調で話を進めている背景に,6年後の大学入試改革への危惧があります。

2021年春以降に大学へ入学する高校生,つまり今春に中学校へ入学した学年と現在の小学生は,現行のセンター試験が廃止されて全く異なる形式で入試が行なわれることが決まっております。

名称も『達成度テスト』(仮称) と変わり,新たなスタートが切られるのです。

 

制度設計中の段階ではありますが, かなり確実であろう事柄に『複数回受験』が可能になるとのことです。

現在のいわゆる『一発勝負』に対する批判からこのような案が出ているものと思われます。

しかし,これが実行されることになれば,早い段階で高校履修内容を修了する私立中高一貫校にとってはより有利な条件が揃うことになるのは間違いありません。

 

進路探究塾 Mirai には私立中高一貫校に通う生徒も在籍しておりますが,多くが公立中・公立高の生徒ですから,どの生徒にとっても受験時に不利にならないような指導を実践していきます。

なお,新中1生はこれを見越した全く新しいカリキュラムを準備し,指導にあたっています。

 

私たちが見ているのは,中学生で言えば定期テストや高校入試といった目先のものではなく,もっと先にあるものなのです。

 

電子辞書

 

写真は私の愛機である CASIO の EX-word XD-D10000 です。

当機種は翻訳家の方も使う本格モデルだそうで,私は英作文の添削時に活用したり,20種類以上にもおよぶ各種英語辞書の用例を見て楽しんだりと活用しています。

 

ここ数年の電子辞書の性能アップはめざましいものがあり,手書き機能,付箋機能をはじめ,英語では例文や語法などの完全収録と発音のネイティブ音源の収録。

さらには山川出版社の社会科用語集各種の収録など,文系科目の学習に必要なツールはひとしきり入っています。

もちろん紙の辞書に勝ることはありませんが,電子辞書は高校生にとっての時間効率策の一環としては不可欠なものになりつつあります (小中学生は紙の辞書を使わないとだめですよ)。

 

例年,高校生から「電子辞書はどれを買うべきですか」と質問が寄せられます。

この春も例外なく新高1生から同様の質問が寄せられました。

 

私は生徒たちに「『ジーニアス英和辞典・和英辞典』と『広辞苑』,そして山川出版社の社会科用語集各種が収録されているものであれば,最新モデルでなくとも問題ない」と伝えています。

あとは「今後のために『OALD』が収録されているものであるとなお良い」と付け加えています。

 

私も高校生の頃に英英辞典 (『OALD』) を活用したことから,高3生からは英和辞典と併せて英英辞典も活用することを一部の生徒に薦めています。

日頃から多くの英文に触れることにより単語の定着力が格段に向上するとともに,何より英文の処理速度の向上が期待できます。

ただし,高2生の終わりまでに4,000語レベルの英単語があらかた習得できていることが前提となります。

私の授業で実施している単語テストの得点状況や,その生徒の英語に対する取り組みを見て,個々に使用を薦めるにとどめております。

 

語学系の学部でなくとも,普通の大学であれば英語で論文を読んだり書いたりする機会は結構あるものです。

また,TOEIC や TOEFL を受験する際や院試で英語が必要なケースは多々ありますから,こういったことを見据えても,高校生の頃に英語をしっかりと学んでおくことはとても重要なことです。

 

電子辞書は高校生の学習をサポートしてくれる素晴らしいツールです。

しかし,先日のブログでも書いた通りで,学習の基本は “書く” ことです。電子辞書はあくまで学習の補完に過ぎないということを忘れてはいけません。