他業界から学ぶ

 

先日,岐阜県内にも店舗を構えるカラオケチェーン大手が,全体のおよそ 2割にあたる52店舗を閉鎖するという雑誌記事を目にしました。

全国的にカラオケ離れが進んだことに加え,競合他社との価格競争に敗れたことがその要因であると雑誌には紹介されていました。

 

同じく,岐阜県内に本社を置くスポーツ用品小売大手も,来年までに全体のおよそ 1割にあたる13店舗を閉鎖するとのことです。

小売業はネットとの熾烈な価格競争にさらされていることもこの要因になっていると推察できますが,非常に厳しい判断と言わざるを得ません。雇用はしっかりと守られるのでしょうか。

 

塾業界に目を向けてみましょう。

ここ数年で勢力を拡大し,あちこちで見かける (ようになった) 塾,またはこれでもかと新聞広告を折り込みまくっている塾は10年後にどうなっているでしょうか。

本当に良い組織なら維持ないしさらに発展していけると思われますが,先の事例でも紹介したようにどこかで頭打ちになって衰退・縮小という事例が業界を問わず多くあります。

やはり,毎年の多店舗展開などで急速にその勢力を強めたところというのは,上記と同じような結末が待っていると私は見ております。

 

とにかく塾は人材が最重要であり,これは,競合する他社・他店でも基本的に同じものを扱う小売の業態とは比較にならないレベルです。

完成品である “モノ” を扱う小売業と異なり,教育は目には見えない “サービス” を扱う業態ですから,それを提供する人材によって差が生じるのは当然のことです。

人材育成に力を入れず,パッケージ化されたシステムや教材を前面に出し,勢いというか “ノリ” で突き進んでいるところも数多くあるというのが実情です。

 

私はこの仕事を始めて20年目となりますから,塾において人材育成がどれほど重要かを熟知しておりますし,人材育成がどれだけ難しいかも熟知しております。

優れた人材は一朝一夕には育てられません。しかし,教育は人材で決まると言っても過言ではありませんから,一時的に隆盛を誇ったとしても,人が育たなければ真の発展はないのです。

 

 

塾を含めた「教育・学習支援業」は新卒での入社 3年以内の離職率が非常に高い業界として知られています。

4年ほど前の新聞記事に書かれていましたが,「教育・学習支援業」の新卒 3年以内の離職率は48.9%と突出しており,「製造業」の17.6%と比較するとその率の高さは一目瞭然です。

3年でおよそ 2人に 1人が辞めていく。ご存知の方も多いと思いますが「飲食業」も同様の状況です。

 

いろいろな事情もあってこのような数字になっているのだと思いますが,一般に言われるのは休日が少ない,拘束時間が長いということに加え,概して処遇が良くないということが挙げられます。

もちろん,遣り甲斐を感じて日々頑張っている人も多数いることは揺るぎない事実ですが,およそ半分が新卒 3年以内でせっかく就いた職から離れてしまう状況は異常と言わざるを得ません。

 

こんな状況が続いて教育が良いものになるはずもありませんし,塾業界は少子化による市場規模の縮小に加え,2020年度開始の『新テスト』導入という大きな変革の時期に直面しております。

さも容易く結果を出せるようなことを謳い,受験テクニックに偏重した薄っぺらい知識をつけさせる教育が持て囃され,さらには将来を担う子どもたちを育成する気概を持つ若者が次々と去る状況。

本当にこれでよいのかと不安になりますし,当塾は塾業界のこんな “潮流” に加担しないよう,さらには商業ベースへシフトしないよう,初心を忘れずに子どもたちと向き合いたいと思います。

 

進研模試 《2016年 7月実施分》

 

7月に実施された進研模試の成績帳票の返却が始まっており,当塾に通う高校生たちから続々と結果が寄せられています。

 

現時点での主な結果を紹介すると,高1生のトップの 3科全国偏差値は85.1 (全国順位は632位/485,969名),続いて83.1 (同1,190位),77.3 (同4,942位) と続きました。

高3生は理系のトップが全国偏差値で80.6 (全国順位は280位/102,843名 ( 5教科 7科目理系)),同じく文系のトップが80.3 (全国順位は476位/193,483名 (国英歴文系)) となっています。

高2生はまだ結果が全然揃っていませんので今回は割愛します。

 

 

今回も各科や総合で全国偏差値が80を超える結果が飛び交いましたが,これらは当塾の生徒たちが何か特別なことに取り組んで “捻り出した” 結果ではありません。

当塾は学年・科目を問わず,とにかく基礎を大切にする指導を行なっておりますから,奇を衒った内容の指導であるとか,当て物のような予想問題をばら撒いたりということもしません。

ですから,各種模試の結果にしても,大学合格実績にしても,それらは生徒たちの頑張りの結果であり,学校や当塾の授業で学んだことを理解し,落とし込んだ結果に過ぎないのです。

 

 

これまでのブログでも申し上げている通り,当塾では模試の過去問や予想問題を配布したり,まして模試の対策講座などは一切行なっておりません。

当塾生たちの結果はそういった類のものには頼らずに出した “真の実力” による結果であり,そういった類のものに熱心に取り組んで “捻り出した” 結果とはわけが違います。

模試で満足のいく結果を残すために何らかの対策を講じるというのは『砂上の楼閣』につながりかねませんし,模試に照準を当てた学習などまさに『木を見て森を見ず』の状態です。

 

残念なことに,高校生を対象にそういった指導を行なう塾や予備校があります。

そういった指導を求めている高校生が多いから用意があるのだと思いますが,これは教育を商業ベースで捉えている表れと言えるでしょう。

 

百歩譲って中学生対象ならまだしも,模試で好成績を収めるために過去問や予想問題で “武装” させることにいったい何の意味があるのか,理解に苦しみます。

付け焼刃の対策を講じて “見せかけの” 結果を捻り出したところで,その結果や勢いが入試本番まで続くわけではありませんからね。

 

それと,高校生で学校内順位にこだわることも私には理解できません。

大学受験となればライバルは全国にいるわけですし,特定の高校で上位だからといって受験において合格が保証されていることはないのです。

模試でこの状態なのに,出題範囲が狭く偏りのある課題テストや定期テストの学校内順位なんて何の参考にもならないということは容易にお分かりいただけると思います。

 

 

定期テストに関しても同様のことが言えますが,過去問や予想問題,対策講座といった “お手軽なもの” の提供が子どもたちの学ぶ意欲を削ぎ,結果的には成長を阻害することにつながります。

先日も市中で「短期間で成績が上がる!」という謳い文句を見かけました。私は20年この仕事をやっておりますが,そんな方法論があるとは到底思えません。

目の前の各種テストの結果だけを追求する “お手軽なもの” の提供。果たしてこれは教育と呼べる代物なのか,甚だ疑問です。

 

労せずして得たものに大きな価値はない,また,基礎を疎かにして突き進むことほど恐ろしいことはない,ということに気付けるか気付けないか。

このことに気付けるのが受験後だとしたら,それは本当に気の毒なことです。

 

定期テストに対する当塾の考え方《高校生》

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岐阜北高と加納高は昨日から,岐阜高と岐山高が本日からなど,各高校とも定期テストの時期に差し掛かっています。

一方,私立高は一足早く定期テストが終了しており,3学期制である滝高はテスト答案だけでなく,順位なども詳細に記された成績帳票も返却されています。

 

これまでのブログでもお伝えしているように,当塾は高校生に対して定期テストに特化した指導を行なわないばかりか,過去問や予想問題の演習も一切行ないません。

定期テスト前や期間中は基本的に授業を止め,自習をさせたり,または質問受付をしたりする程度ですが,写真にもあるように,当塾の生徒たちの多くが一定の成果を残してきます。

 

写真の成績帳票の生徒は以前のブログでも紹介したことがある生徒で,小4生だった頃から私たちが指導している生徒です (現在は高1生)。

指導を開始して 7年目となりますが,確たる学習習慣が身についていますし,指示したことを徹底して取り組める姿勢が素晴らしいと思います。

日頃も頑張りもさることながら,定期テスト期間中は学校帰りに当塾へ来て,昼から自習室に籠って黙々とすべきことに取り組むなど努力は欠かさない生徒です。

 

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話を戻しますが,例えば過去問や予想問題を解きまくって高得点が取れたとしても,それは理解して得点できているわけではありませんから後には残らないのです。

寧ろ,以降もずっと “過去問や予想問題がなければならない” 状態になってしまい,入試を戦えるかどうかさえも不安が残ります。

先日のブログでもお伝えしたように,定期テストはあくまで日頃の学習の成果を発揮する場。大した努力もせず,“変な予想” に縋って得点を取る場ではありません。

 

個人的な考えではありますが,生徒に過去問や予想問題をばら撒く行為は,もはや教育と呼べる代物ではないと思います。

言い換えれば,過去問や予想問題をばら撒く行為は子どもたちの “考える力” や “自らで打開する力” を奪い,その場凌ぎを繰り返させるに過ぎません。

 

生徒を思いやる気持ちからそういったものに取り組ませるのか,生徒をつなぎとめるためなのか,または教育そのものを単に “商業ベース” で考えているだけなのか。

他にもあるかもしれませんが,いずれにしてもそれは当塾の考える教育とは大きく異なります。

 

感心!

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当塾は兄弟姉妹での通塾が多いのが特徴です。

小学生と中学生,中学生と高校生など,兄弟姉妹の組み合わせはさまざまです。

 

写真は兄・姉が小5生に在籍する小3生の 2名で,授業後に自習をしている時のものです。

小1生から小4生までの『あすなろ学習会』の授業は17時20分から18時30分ですが,小5生・小6生の『進路探究塾 Mirai』の授業は17時20分から19時05分となっております。

彼らは毎週,兄・姉の授業が終わるまで自習 (学校の宿題がメイン) をしたり,読書をしたりといつも静かに過ごしています。

 

私たちから「自習をしなさい」などと促さなくともこの姿勢。

本当に感心ですし,こういった時間の使い方を小3生から身につけていることは後々になって効いてきます。

 

ここのところ

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ここのところ本当に多忙で,ブログの更新が止まっておりました。

この間,日頃から私のブログをお読みいただいている方から「何かあったのですか?」とメール等で尋ねられることもありましたが,ただ多忙だっただけです。

 

3月29日(火) より新学年での授業をスタートしてからもご新規の方からお問い合わせを頂戴したり,入塾説明会を実施したりで,夕方までの時間帯も何かとバタバタしておりました。

さらには,先日のブログでも申し上げた当塾の英語科指導の変更,そして2017年からの『あすなろ学習会』の英語科コース開講に伴う準備等もあります。

具体的には教材の作成やカリキュラムの整備,多方面と電話での打ち合わせもあって,授業後から朝方近くまで PC と向き合う日々が続いておりました。

 

2021年度大学入試より開始される『新テスト』と,それに伴う “英語科の位置づけ”。

調べれば調べるほど,最低でも中学卒業時点で英検準2級ラインの到達は必須であり,さらには “付け焼刃の学習” がどれほど無力かということが見えてきました。

多くの塾が行なっている定期テスト対策に特化した指導,ならびに高校受験対策に特化した指導。現在の中2生とそれ以下の学年は,正直 “こんなこと” をやっている場合ではありません。

かと言って,中学卒業時点で英検準2級に合格することだけを目的として過去問を解きまくるといった “付け焼刃の学習” ではその後につながらないことも併せて申し上げておきます。

 

大切なのは,いかに先を見て行動できるか。中学生で言えば定期テストも,高校入試も,例えば英検準2級も,すべて小さな小さな通過点に過ぎません。

今後,具体的には現在の中2生とそれ以下の学年にとってはこれらのことが今まで以上に鮮明になり,付け焼刃ではない真の学力を蓄え続けることが求められるのです。

 

開塾から 1年 1ヶ月

 

4月になりました。

このブログは開塾時の2015年 3月 8日に開始し,早いもので今回が251回目となりました。1年という時の流れの早さをしみじみ感じます。

 

進路探究塾 Mirai は開塾から 1年 1ヶ月が経過しました。

この間に多くの入塾があり,塾生は各務原市が大半ではあるものの,岐阜市や関市,美濃加茂市から通ってくれている塾生もおります。

当塾の塾生たちは学習を愉しみ,かつ目的意識を持って通塾してくれている生徒ばかりですから,私自身も授業だけでなく生徒との何気ないやり取りも含めて本当に楽しく過ごしています。

 

先日のブログでも申し上げましたが,当塾は 3月29日(火) より新学年での授業をスタートしております。

多くの新しい塾生を迎え,いい意味で活気のある,賑やかな雰囲気となっています。塾生の頑張り,ならびに保護者様のご期待にお応えするべく教員一同頑張っていきます。

 

 

進路探究塾 Mirai のホームページならびにこのブログは,3月の 1ヶ月間の総アクセス数 (以下 PV ) が 10,000 を超えました。

2015年12月までは 1ヶ月あたりおよそ 5,000PV から 6,000PV で推移していましたが,1月,2月と増え続け,この 3月は 1ヶ月あたり 11,218PV となりました。

多くの方にご覧いただいていることに感謝するとともに,改めて中身のある,同時に意義のある発信を続けていかなければならないなと感じております。

 

今後とも宜しくお願い致します。

 

合格実績および数値の表記に関して

 

来週より学年末テストということもあり,本日は高校生用に開放した32席の自習室は満席になりました。

この中には国公立大の前期二次試験を明後日に控えた高3生の姿もあり,緊張感の漂う中でそれぞれがすべき課題に取り組み,学年を問わず教員に疑問点を質問する姿が見られました。

 

進路探究塾 Mirai にとって 1期生にあたる今年度の高3生は 6名で,このうち国公立大を受験するのは愛知県内の私大への進学が確定した 1名を除く 5名。

この 5名は近畿地方に 3名など,4名が東海地区外の国立大を受験しますので,明日の24日にはこの 4名全員が現地へ出発します。

センター試験以降,塾の開いている日は連日昼から23時頃まで自習室に籠り,自習はもちろん各科の質問や添削依頼に明け暮れた日々。これもここで一段落となります。

本日,帰り際に笑顔で私と固い握手を交わし,彼らは健闘を誓って当塾をあとにしました。これまでの頑張りの成果を遺憾なく発揮してきてくれることを祈るばかりです。

 

1期生の高3生のメンバーは私大入試でもなかなかの結果を残しましたが,当塾は大学受験合格実績公表は国公立大前期の結果が判明してから行なうことにします。

実進学先と併願合格校のみの記載とし,合格数のダブル・トリプル等のカウントを防ぐために人数での表記は行なわないことに決めました。

これは,在籍数が今年度と比べて倍以上になる次年度以降も同様です。

 

よく,チラシや Web で『〇〇大学□□名合格!』などという表記を見かけますが,こういう書き方は誤解を招きかねません。

それが何名の在籍があってのものなのか,私大で言えば重複合格がどの程度あるのか。

例えば塾のチラシ等で『名古屋大学 10名合格!』と謳っていても,例えばその塾の高3生の全在籍数が500名であれば構成比はわずか 2% に過ぎません。

50名の在籍で10名合格と,500名の在籍で10名,1000名の在籍で10名合格とは価値が全く異なります。

 

さらに,受験方式が複数用意されている私立大に 1人の受験生が 3合格を勝ち取って『△△大学 3名合格!』と表記するのはどうかと思います。

これは厳密には「合格 “者” 数」と呼べるものではなく,「合格 “のべ” 数」です。

さも,大勢が合格しているように見せる表記が横行している実態があり,このあたりはルールがかなり曖昧ですから,その数を鵜呑みにするのは本当に危険です。

 

慶應義塾大のようにセンター利用入試もなければ同一学部での複数回受験の機会がない大学なら話は別ですが,今は 1人の受験生が 1つの大学・学部で 5合格なんてことも可能な時代です。

ですから,数を躍らせるだけでなく『〇〇大学□□名合格 (実人数は△△人)』と注意書きが必要ではないかと私は考えます。

 

そういった注意書きはなく,あくまでも数値だけが躍る表記というのは本当に多いですよね。根拠が乏しく,裏付けのない公立中の校内順位なんかも同様です。

中学生の定期テストで『30点アップ!』とは表記するものの,元の得点と向上後の得点の表記がない。

20点が50点になるのと,50点が80点になるのとでは同じ『30点アップ』でも全く違います。ここは重要だと思うのですが…。

 

公立高校の合格実績なんかでも,躍る数値の下に「複数年分の合算」と本当に小さな字で表記されていたり,数日通っただけの生徒を合格実績に混ぜていたり。

さらには,岐阜 5高の合計かと思いきや小さな表記を添えて “準ずるところ” も混ぜた表記であったり,別ブランドで運営しているグループ内の他塾や提携先の合格実績も混ぜてしまったり…。

私も中2生の娘,小5生の息子がいる人の親ですから,わが子にもという思いからこういった数値は気にはなるものの,何を信じてよいのかさっぱりわかりません。

 

やや批判めいた内容となってしまいましたが,明確な基準がきちんと整備され,各種数値が見る側にとって「わかりやすい」ものになることを切に願います。

 

中学校の実力テスト

 

冬期休暇が明けてすぐ,各務原市内の各中学校において実力テストが実施されました。

 

先日から成績個票の返却が開始され,塾生たちから続々と結果が寄せられています。

当塾ではこういった実力テストや模試等に焦点を当てた突飛な対策授業や,過去問および予想問題の配布というのは行なっておりませんが,多くの生徒がなかなかの結果を残してきました。

 

写真の成績個票の生徒 (中2生) は,各科とも万遍なく得点できて450点を超えました。

別の中2生は「先生,理科が100点でした!」と笑顔で結果を提出してくれました。目標を持ち,前向きに頑張ってくれていることが私たちには何より嬉しいのです。

ただ,中2生の理科はやや易しめだったのかもしれません。当塾の在籍生で平均を算出すると90.9点に達します。

 

 

これは岐阜市の公立中学校に通う,私の娘 (中2生) の成績個票です。問題に目を通したところ,各務原市の各中学校で実施されたそれと全く同じものでした。

社会科の失点もあって401点から450点の得点帯のところにおりますが,伸び悩み,何より前向きではなかった中1生の頃のことを思えば中2生になってからはよく頑張っていると思います。

昨年 4月に現在の塾に移ってからというもの,以前では考えられなかった自習に進んで通うようになりましたし,目標を口にするようになりましたから,この 1年で確実に成長していると言えます。

 

注目すべきは娘の通う中学校の451点以上の人数,そして451点以上を含めた401点以上の構成比が各務原市の各中学校と大きく異なるということがわかります。

娘の通う中学校の今回の受験者数は193名で平均点は332.0点,451点以上は18名で401点から500点の構成比は33.2%。つまり,およそ 3名に 1名が401点以上を獲得している計算です。

 

手元にある成績個票で,各務原市内の各中学校 (中2生) を平均点順に並べると以下のようになります。

 

・蘇原中 → 受験者数 246名,平均点 307.9点,451点以上15名,401点から500点の構成比 15.0%

・稲羽中 → 受験者数 103名,平均点 297.4点,451点以上 2名,401点から500点の構成比 16.5%

・那加中 → 受験者数 205名,平均点 295.9点,451点以上 4名,401点から500点の構成比 15.7%

・中央中 → 受験者数 227名,平均点 292.4点,451点以上 8名,401点から500点の構成比 17.2%

・緑陽中 → 受験者数 125名,平均点 275.8点,451点以上 1名,401点から500点の構成比 16.8%

・桜丘中 → 受験者数 150名,平均点 262.2点,451点以上 0名,401点から500点の構成比 6.7%

 

ある中学校では451点以上は 0名で,401点以上は10名という結果でしたから,あくまで単純計算上ではあるものの,401点でトップ10入りが可能です。

しかし,この401点を私の娘の通う中学校に当てはめると,推定される順位は64位。娘の通う中学校とは平均点が 5科で70点近く差があるとはいえ,全然違います。

所属する公立中学校内で上位だとか 1桁だといっても,それはまさに『井の中の蛙大海を知らず』の公算が大きいというわけです。

 

これまでのブログでもたびたび取り上げているように,定期テストや実力テストにおいて公立中学校内の順位にこだわっても意味はありません (そもそも公表されていませんが)。

さらには,中学校内の順位はもちろんのこと,平均点が学校間でこれだけ差があるわけですから,実力テストにおける校内偏差値も何の意味もなさないことをわかっていただけると思います。

あくまでそれは校内における結果であり,学区内や県内で見ればポジショニングは変わってきます。

 

当然,〇〇中学校で 1位だから□□高校に合格できるという話ではありませんし,中3生になれば多く生徒が受験する岐阜新聞テストの順位や得点なんかも同様です。

岐阜新聞テストの結果が良好であるからといっても,それが高校 3年間担保されるわけではありませんから,高校受験を通過点と捉え,努力を継続していかなければならないということです。

岐阜高に合格できた,または 5高に合格したと喜んで,以降の努力を怠ってしまうようでは 3年後が思いやられます。

 

大学入試は高校受験のような学区内,または県内といった小規模なものではなく,東海地方や中部地方といった地方単位または全国規模での勝負になります。

ですから,□□高校で 1位だから△△大学に合格できるという話でもないということを併せて申し上げておきます。

 

中学・高校を問わず,あくまで実力テストは実力テスト,模試は模試に過ぎませんから,そういったものの順位等を鵜呑みにして気を緩めてしまうことほど恐ろしいことはありません。

しかも,その結果が過去問や予想問題といった “安易なもの” に取り組んで捻り出した結果であれば,それは虚像である可能性があるうえに,悪く言えば『バブル』なわけです。

 

長い目で見た目標をしっかりと掲げ,“安易なもの” に頼ることなく日々コツコツと学習に励み,さらには慢心することなく淡々とすべきことに取り組む。

これが進路探究塾 Mirai が行なう指導を端的に言い表したものであり,私たちが子どもたちに身につけさせたい姿勢なのです。

 

2020年度開始の『新テスト』動向 Vol. 001

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昨年の終わりに,文部科学省から大学入試センター試験に代わる『新テスト』の問題例が公表されました。

以前のブログでも触れましたが,『新テスト』では現行とは異なり「思考力」や「判断力」を問い,従来のマークセンス方式に加えて記述式の出題となることが予告されています。

 

《記事はこちら》

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/12/22/1365554_06_1.pdf

 

やはり,問題集を解きまくるといった “これまでの学習の仕方” から脱却しなければならないことは明白です。

読書等を通じて教養を育んでおくことや,自身の意見・考えを持ち,それを発信できる力や術を身につけておくこと。こういったことが求められる時代になるのです。

 

続いて先日,文部科学省は『新テスト』において,導入を検討してきた複数回実施を当面見送る方針を固めたと新聞各社より報道がありました。

『新テスト』は従来の “丸暗記” や “一発勝負” を改めるため,“考える力” を測ることに加えて試験を複数回実施することが大きな柱でした。

しかし,複数回実施は “種々の要因” から実施を 10年程度かそれ以上先延ばしにすることになりましたから,2本の柱のうち 1本が崩れることになるわけです。

 

複数回実施が難しいということは容易に想像できることです。にもかかわらず,なぜ見切り発車したのか。甚だ疑問です。

さらに,記事には以下のような文言もありました。

 

「現在 1月にあるセンター試験を複数回にする場合の時期を考えると (中略),12月以前に前倒しされる可能性が高い。そうなると,高校の学習内容が試験までに終わらなかったり…」

 

これは現制度下でもすでに発生している事象で,ご存知の方も多いとは思いますが,科目によっては岐阜高を含む 5高でさえ,現在の 1月のセンター試験までに終了しない科目があります。

理系科目に関しては特にひどい状況で,5高の中のある高校では物理で数単元が未履修のまま 1月のセンター試験本番を迎えました。

 

はじめからそういうカリキュラム立てになっていて終わらせる気がないのか,あるいは生徒の独学および塾や予備校頼みなのか。

理系にとっては多くの受験生が数学に次いで要となる科目がこんな状態では,センター試験で好成績を収めることも,ましてや二次や難関私大で合格を勝ち取ることなどできるはずもありません。

それにもかかわらず,多くの高校での進路指導は “国公立大至上主義” の風潮ですから理解に苦しみます。

そういう進路指導をするなら,入試までにカリキュラムが消化しきれない旨を早い段階で生徒たちに伝え,それなりの準備をさせておくべきです。

 

先日のブログでも申し上げましたが,高校に合格すること,さらには 5高に入学することがゴールではないということがこの点からも明らかです。

たとえ進学校に通っていたとしても,高校のペースに合わせて学習を進めていては大学入試で勝つことはできません。これは現制度下でも,『新テスト』導入後においても同様のことが言えます。

 

当塾の集団指導コースでは,科目を問わず遅くとも高3生の 7月には終了するカリキュラムで指導していますから,以降は演習を通じて知識・理解の定着を図ることが可能です。

このことからも,以前のブログでも申し上げたように,私はろくに学習をしてこなかった生徒に対して「高3生の夏からが勝負だ」などとは口が裂けても言いません。

高3生の夏までにコツコツと準備 (例えば英語科なら4,000語レベルの英単語やイディオム,文法事項) を進めてきたうえでの「勝負」なら話は別ですが。

 

書店《続編》

 

以前のブログで,私は書店めぐりが好きだという話を紹介しました。

最近は今年の 7月にマーサにオープンした丸善をよく訪れており,自分で読む書籍,生徒たちに紹介したい書籍や参考書・問題集を購入しております。

 

自宅近くにあれだけの規模の書店があることは,読書好きの私には嬉しい限りです。

『honto with』という携帯アプリを使えば岐阜店を含むすべての丸善・ジュンク堂書店の在庫検索まで可能ですから,良い時代になったものだと感心せずにはいられません。

 

その丸善では先日まで『秋の読書キャンペーン』と題し,購入金額に応じて図書カードやマグカップ,手ぬぐいのプレゼントを行なっていました。

取っておいたレシートで写真の商品と交換していただきました。図書カード500円が 3枚というのは本当にありがたいです。

 

私は多い時で月に 5万円分ほど書籍を購入するのですが,来年もこのキャンペーンがあるなら期間内の書籍の購入はすべて丸善にてと決意した次第です。