理系か文系か

 

就職を見据えたとき,『理系が有利か,文系が有利か』という議論がよくなされます。

 

マスコミが発表している数値や各種統計を見ると理系が有利であるという結論に落ち着きそうです。

しかし,私は系統選択をする時点で子どもたちが将来の目標をどれだけ具現化できていたかが何より重要で,『理系が有利か,文系が有利か』という議論そのものが不毛であると考えております。

 

進路探究塾 Mirai は学習指導・受験指導をもちろん行ないますが,むしろ大切なのはその先であると捉えて将来設計指導に力を入れております。

各種テストで点数を取らせるための指導や受験の合格だけを目的とした指導ではなく,学ぶことの意義や受験の先を見据えて必要な事項を中心に指導しています。

 

現在通ってくれている生徒たちは明確な目標を持って当塾で過ごしています。

まとまった人数のいる当塾の高2生で見ますと,理系が70.6%と文系が29.4%という配分で,志望校はもちろんのこと学部・学科まで絞り込みが完了しています。

 

私のこれまでのキャリアを振り返っても,直接指導にあたってきた高校生はだいたいこんな感じで理系が多く,その比率は 2 : 1 から 3 : 1 に落ち着きます。

進路探究塾 Mirai の生徒たちを含めて私の教え子たちが理系に偏るのは,いわゆる “実学志向” ならびに “職業に直結しやすい” という理由からです。

あとは,私が理系 (農学部) の出身であるということに加えてスタッフにも理系出身が多いことから,その話を聞くことで何を学べるかが具体化しやすいということも影響しているかもしれません。

 

高1生の秋の時点で理系・文系の選択をする際,私の生徒たちは将来の目標からの逆算で志望校を決めて系統選択をしています。

数学が不得意だから文系に進むといったような安易かつ残念な選択を誰一人としてしておりません。

 

私が大学受験まで指導したこれまでの教え子たちが進学した学部を順に書き連ねると以下のようになります。

理系生は工学部が圧倒的に多く,薬学部,理学部,農学部,医学部,教育学部,看護学部と続き,文系生はほとんどが教育学部に進み,看護学部,芸術学部,外国語学部,文学部と続きます。

ここには,上記した “実学志向” ならびに “職業に直結しやすい” 学部が多く含まれていることがわかります。

 

きちんと志望校・学部・学科に合格した生徒の多くは,早い段階で将来の目標が具現化できていました。

進路探究塾 Mirai では,小学生・中学生の時点から将来の目標を持ち,その目標を達成するために一つひとつの取り組みがあるのだということを子どもたちに指導します。

 

高校数学の学習と中学と高校の学習法の違い

 

本日は高校数学の学習法と,中学と高校の学習法の違いに関して綴ります。

中学生や新高1生,およびその保護者の方に読んでいただければと思います。

 

近隣の高校で数学の参考書として採択されているのが『Focus Gold』 (啓林館) と『チャート式』 (数研出版) です。

『Focus Gold』は岐阜高と加納高,『チャート式』は岐阜北高で青が,岐山高と長良高で黄が採択されています。

 

先日のブログでも申し上げたように,大切なのはそれをどう使い熟すかであり,どれが良いとか良くないという議論もあるようですが,どれも解説がしっかりしていますから似たり寄ったりです。

ただ,『Focus Gold』は掲載されているコラムが非常に興味深く,数学好きにはたまらない仕上がりとなっております。

私は高校時代に赤チャートで学んでおりましたから当時に『Focus Gold』があれば嬉しかったでしょうし,読み耽っていたかもしれません。

 

『Focus Gold』・『チャート式』を問わず,いきなり演習に入るのではなく,解法プロセスを理解してから例題および演習に取り組むという流れが欠かせません。

問題を完璧に解き切れた場合は次に進むことになりますが,解き切れなかった場合はどこで躓いたのか,どの知識が不足していたのかを解答・解説を参照しながら検証します。

 

ただ解答を書き写すだけでは力になりませんので,私の場合は解けなかった問題にチェックを入れ,それを数日後に取り組むという流れを定着させていました。

ありきたりな方法ではあるものの,“数日後に再度” という流れが抜け落ちてしまう受験生は意外に多いのです。

 

ここで申し上げたいのは,高校の学習法は中学のそれとは大きく異なるということです。

中学レベルの内容であれば,闇雲に問題を解いたり与えられた大量の課題を熟していけばある程度の成績には到達できます。

 

しかし,高校レベルとなるとそうはいきません。科目や分野にもよりますが,高校生が取り組むべきは単なる暗記の積み上げではないのです。

もちろん英単語やイディオム,定理や公式,漢字や古文単語,理社科目の語句など暗記が必要なものもありますが,最も問われているものは運用能力です。

 

学習の本質は “理解すること” ですから,場当たり的な演習を通じて運用能力に近しいものが得られるのは中学までだということを,大学受験に向かう高校生は肝に銘じておかなければなりません。

 

運用能力は復習と徹底した理解を通じて得られるものです。

進路探究塾 Mirai では小中学生に宿題と併せて『レビュー』を課しておりますが,これは目先の成績向上のためだけでなく,高校生になって以降を見越して導入していると言っても過言ではありません。

 

これと決めた 1冊を究める 《続編》

 

私が高校生の頃,受験英語の仕上げとして取り組んだ参考書が『英文解釈教室』(研究社) と『英文和訳演習 上級編』(駿台文庫) の 2冊です。

 

この 2冊に高2生の秋から取り組み始め,およそ半年間かけて完結させました。

なお,英単語は先日のブログでも紹介した『速読英単語 必修編・上級編』(増進会出版社 (現 Z会出版)),英文法は『基礎英文法問題精講』(旺文社) を完結して上記の 2冊に取り組みました。

 

これ以外はというと,模試の振り返りをじっくりと時間をかけて取り組んだり,日頃から英英辞典 (OALD) を引いたり,英字新聞を読んだりという程度でした。

語彙力がしっかりとついていれば,“特別な何か” に取り組む必要はないのです。

 

私は英語だけでなく,どの科目も基本的に各テーマごとに 1冊 ( 1種) というスタンスを崩しませんでした。

科目を問わず多種多様な参考書・問題集が出版されていますが,複数冊を表面的に,ではなく,これと決めた 1冊を 3~4回繰り返して徹底的に理解する。

コンサバティブと言えばそれまでですが,これはどの科目においても私が大切にしてきたことで,数学は『赤チャート』と『オリジナル』,化学・生物は『重要問題集』を徹底的にといった具合です。

 

進路探究塾 Mirai の生徒たちはもちろんのこと,私のこれまでの教え子たちにも同様の取り組みをさせてきました。

基礎基本の徹底なくして学力向上はありえません。「学問に王道なし」という諺もあるように,学習を進めていく過程に近道はないのです。

これは,どんなに時代が進もうとも,変わることのない普遍的なことです。

 

話を『英文解釈教室』と『英文和訳演習』に戻します。

 

『英文解釈教室』と『英文和訳演習』で扱われる英文のレベルは難解なものが多く,とにかく文構造が複雑です。

私はじっくり時間をかけて一つひとつの英文を精読し,書き上げた和訳を解説のものと比較し,文中に用いられている文法の紹介や訳出における工夫などの解説を読み込んでは理解する。

この作業をひたすら繰り返しました。

非常に地味な作業ではありますが,この 2冊が私の英文和訳力の礎を形成し,精読力をつけてくれたといっても過言ではありません。

 

一昨年度は京都大,昨年度は東京藝大と,英文和訳の力が試される大学を受験する生徒を指導してきたこともあって改めて精読することの重要性を感じました。

開塾したばかりの進路探究塾 Mirai においても,大学受験で大きな成果を上げる可能性が非常に高い生徒たちが多く入塾してくれました。

私の英語の授業のみならず,数学・国語・物理・化学・生物・日本史・地理・倫理政経のどの科目においてもさらに精度を高めることが,彼らの期待に応える唯一の方法です。

 

生徒たちの夢の実現に向け,共に頑張っていこうと改めて決意した次第です。

 

地域の小学生

 

進路探究塾 Mirai は 2015年 3月 1日に開塾したばかりの新しい塾です。

 

私は塾教員の仕事を18年,うち14年が岐阜でのキャリアです。各務原市では11年にわたり指導にあたってきました。

とは言っても各務原市はとても広いですから,Mirai 周辺の細かなところまでは把握できておりませんでしたし,地域のこともまだまだ知らないことがたくさんあります。

 

私は地域のことをもっと知りたいと考え,午前の時間帯や夕方の空いた時間などに散歩に出かけております。

今回のブログではその時の出来事を紹介したいと思います。

 

夕方,下校途中の小学生数名に遭遇した時のことです。

顔を合わせるなり「こんにちは!」と元気よく挨拶してくれました。初めて会った子たちばかりですし,一人ではなく複数人,すばらしいことです。

私も彼らに負けないくらいの大きな声を出し,笑顔で挨拶を返しました。

 

私は中学生の娘と小学生の息子がおりますが,果たして彼らが地域の方に対して快活に挨拶をしているかというと疑問です。

今回の出来事を通じ,私の子どもたちにも親が見ていないところでもきちんと挨拶ができる子になってほしいと改めて思いました。

 

子どもたちは,家庭はもちろん地域の大人に守られて,そして地域とともに育っていきます。

進路探究塾 Mirai のある中央小校区は,温かい雰囲気に包まれた素晴らしい地域だとしみじみ感じました。