塾長ブログ


進路探究塾 Mirai 塾長のブログです。

学力向上のために

 

当塾の高校生の諸君を見ていて思うこと。それは,来る日も来る日も本当によく頑張るな,ということです。

 

先日のブログでも取り上げましたが,授業は20時50分開始であるのに軽めの夕食を持参して14時頃にやって来る。

これは受験を直前に控えた高3生だけでなく,高1生や高2生もこんな感じなのです。すばらしい。

 

高校生の諸君が黙々と自習に励む姿,教員に質問する姿を小中学生らが目の当たりにし,頑張ることの意味や継続することの重要性を背中で伝えてくれています。

その姿勢は確実に小中学生にも波及しており,憧れの姿として「僕も (私も) あんなふうになりたい!」などと話してくれます。

そのためには小中学生の頃からコツコツと取り組む習慣をつけることと,各種試験の予想問題といった “安易なもの” に頼らない姿勢が必要だと語りかけています。

 

学力向上のために必要なことは,楽な方法を求めることでもなければ,優れた授業をただ受けることでもありません。

いかに机に向かって知識や理解を落とし込めるかが最も重要であり,自身の受験生の頃の経験および約19年の塾教員としてのキャリアからもこれは間違いないと断言できます。

どれほど優れた授業を受けていたとしても,授業の復習もせずにただ受講しているだけという状態では学力が向上するはずもないのです。

 

私は農学部の出身でありますが,教育学や発達科学にも興味を持っていたためにその関連書籍もよく読みました。

学生の頃に読んだ『The Art of Teaching』(Gilbert Highet 著) という書籍にこんな一節がありました。

 

A scholar, for example, who has spent many years studying a difficult subject, may not know how to teach that subject.

And he may feel uncomfortable having a young audience.

But his reputation and knowledge are distinguished enough, they will hold the attention of the class even when he himself is dull and his voice is difficult to hear.

Many of his students will leave the class inspired, not by his teaching, but by the excitement of contact with a distinguished mind.

 

「例えば,難しい課題を何年もかけて研究してきた学者が,その教科の教え方を知らないこともあるし,若い人たちを前にして落ち着かないこともある。

しかし,その学者自身が退屈な人で,その声が聞き取りにくい場合でも,名声と知識が十分に優れたものであるならば,それが学生らの注意を引き付けてくれるであろう。

学生の多くは何らかの感化を受けて授業を後にするのだが,それはその学者の教え方によるものではなく,有名な学者に触れたという興奮によるものなのである。」

 

もちろん,大学の授業と大学受験合格を目指す塾ないし予備校の授業を一括りにすることはできません。

しかし,大学受験向けの参考書や問題集を執筆しているような有名講師が行なう授業であれば,授業を受けただけで “わかったような気がする” という錯覚に陥ることはあり得ます。

 

実際,私自身も予備校に通っていた頃に何度かそういった経験をしました。

やはり最後は自分であり,授業を通じて得たものをいかにして落とし込むか。これが何より重要なのです。

私たちは授業も当然行ないますが,自習室を含めた良質な学習環境の提供と全科目対応の質問受付の実施により,その落とし込みのサポートを行なっているというわけです。

 

最近では有名講師が行なう授業の録画を全国に配信する “映像授業” が幅を利かせていますが,私見ではあるものの,これをうまく使い熟せる受験生はおそらく少数派でしょう。

進路探究塾 Mirai は一方通行の講義ではない “対面教育”。

授業中,または授業外の対話を大切にして生徒たちの意欲や知的好奇心を刺激し,良質な学習環境と質問受付体制と併せて,私たちは真の意味での学力向上と志望校合格を実現します。

 

最近の出来事

 

この 1ヶ月は本当に忙しく過ごしておりました。

 

新入塾の方々へのご対応,日々の授業,受験生の添削指導や質問受付,各種相談などの諸対応,もちろん受験学年ではない塾生の対応,冬期行事の準備。

秋口のブログでも書きましたが,この 1ヶ月の間は以前にもまして心地よい忙しさを感じることのできる日々が続いております。

 

余談ではありますが,私のこのブログは就寝前の時間帯を使って自宅で書くことが多いのです。

1日を振り返りながら iPhone のメモパッドに文章を打ち込み,それを Mirai の仕事用のメールアドレスに送信して寝る。

翌日出勤し,メールチェック時に “コピー & ペースト” で当塾のホームページに移し,それに微調整をかけてアップする。

ここのところ昼間の時間帯も何かと忙しく,まとまった時間がなかなか取れないため,近頃は毎回こんな感じなのです。

 

高校は冬期休暇に入り,ここ数日は昼から自習室に来てくれる生徒が何名かおります。

当塾は基本的に火曜日から土曜日は13時30分から自習室を利用可としているため,今のような時期やたまたま午前授業だったという日に生徒たちが昼から自習室にやって来るのです。

 

年末年始やゴールデンウィーク,お盆の期間を除き,当塾の自習室は火曜日から土曜日の13時30分から23時までいつでも利用できます。

塾生には毎月の月次お知らせを配布しており,日曜日も含めた自習室の利用可能時間帯を告知しています。

週に2,3日も開いていないとか,または特定の日は会議や出張があるために夕方からしか開いていないとか,当塾は生徒たちの学びをメインに据えておりますからそういうことはありません。

 

本日も自習に来ている一昨日に終業式だったという高2生が,「今日 (12月22日) で学校の冬休みの課題が完了したので,この冬休みは自分のやりたいことに取り組めます!」と言っていました。

学校の冬期課題は結構な量なのですけどね。非常に感心です。

計画性を持って取り組むとはまさにこのことだと感じましたし,私が日頃から伝えていることを理解し実践してくれていることが嬉しかったです。

 

この生徒の『この冬にやりたいこと』の詳細を聞いたところ,英語科と社会科に絞っているとのことでした。

具体的に英語科は,今週で当塾でのテストが終了する『速読英単語 必修編』の振り返り,『基本英文700選』の各文の暗記,『基礎英文法問題精講』をやり進めるというものです。

社会科は,日本史『書きこみ教科書』の中世までの完成と,倫理および政経の『解決!センター』シリーズをやり進めていくということでした。

 

感心したのは,どの書籍とも冬期休暇中にここまでは仕上げるという具体的な計画がなされていたことです。

各書籍ともこちらで「〇月まで」といった仕上げる期限を指示していますから,それを実践していくためには学校の課題に追われているようでは話にならないのです。

 

それと,高2生のこの時期は,取り組む問題集や参考書は基礎をじっくりと学べる “名著” と呼ばれる類のものでなければならないと私たちは考えています。

これらと当塾で渡しているテキストを 2周から 3周熟して基礎を固め,以降は精選された問題集に取り組んで入試に向けた実践的な力をつける。これに限ります。

先日のブログでも申し上げたように,『〇〇日で完成!』などと謳ったり,『世界一わかりやすい』などと首を傾げたくなるような大仰なタイトルが付された問題集・参考書ではお話になりません。

 

話を戻しますと,先述した生徒は名古屋大の文学部を志望しており,国語のセンターと二次,数学のセンターと二次,理科のセンターは問題なく順調に仕上がってきています。

この冬に取り組むという英語科と社会科も何ら問題があるわけではなく,先日の進研模試では英語は全国偏差値が 69.5,日本史は全国偏差値が 79.3 という仕上がりです。

もちろん,これらは過去問や予想問題といった “お手軽なもの” に取り組んで得た結果ではありません。環境を使い熟したうえでの,彼女の日頃の頑張りによるものです。

なお,英語に関しては夏ごろから取り組みを本格化させていますから,高3生になる頃にはより大きな成果が出るものと確信しています。

 

着実に力をつけている

 

以前のブログでも申し上げましたが,当塾の高校生集団指導コースは数学の授業を週に 2回実施しております。

 

高1生はセンター試験対策となる数学 IA の演習を集団指導で,数学 IIB の講義を個別指導で実施という形態です。

センター試験対策の集団指導は,今後繰り返し演習を積むことで付け焼刃ではない “解き切る力” を身につけることが狙いです。

もちろん,これは文系・理系を問わず,同時に受験校を問わず,本番で 9割超を取らせる力の育成が私たちの考える落としどころです。

 

高2生は高1生と同様に,集団指導で数学 IA と数学 IIB のセンター試験対策演習を,個別指導で数学 IIB と数学 III の講義および二次対策を実施しています。

3月の開始から間もなく10ヶ月が経過し,当塾の高2生たちは数学 IA に関して相当な量の演習を積んできました。

 

高2生は本日の授業でも演習を行ない,題材は2014年度の駿台マーク模試を活用しました。

上位 5名は98点 (岐阜高・理系),97点 (岐阜高・理系),93点 (長良高・理系),92点 (岐山高・理系),89点 (長良高・理系) と続きました。

以降も83点 (加納高・文系),83点 (岐阜高・理系),80点 (岐阜高・文系) と続き,上記で受講生の半数となります。

 

進研模試でも80近い全国偏差値を残すような生徒でも83点,同じく70近い全国偏差値を残すような生徒でも76点と,素材としては決して簡単なものではありませんでした。

しかし,この生徒らも別の演習素材では90点台を取るなど,トップが目まぐるしく入れ替わる激戦の様相です。良い意味での競い合いができていることに,私は目を細めています。

 

紹介している得点結果は,彼らが高1生の頃につくった基礎と,10ヶ月にわたる演習および復習の賜物と言えます。

本番まではまだ 1年以上ありますが,今から結果が楽しみですし,数学 IA に限らず他の科目においても順調に成績向上を果たしていることが何より嬉しいです。

強調したいのは,『成績の上がっている生徒が多い』と題したブログでも申し上げた通り,これは付け焼刃による成績向上ではありません。

怪しげな解法や手法めいた “お手軽なもの” が流布されているのを目にしますが,入試は当て物ではありませんし,そもそも学問とはそういうものではないと私たちは考えます。

 

学問に王道なし』とは,本当によく言ったものだと思います。

 

多くの方のご入塾ありがとうございます

 

ここ最近はおかげさまで多くのお問い合わせをいただいており,説明会・体験受講を経て 1名,また 1名と入塾のお手続きが続いております。

当塾の指導方針にご賛同いただいたうえで,大切なお子さまの将来を預けていただけることに感謝し,そのご期待にお応えできるよう教員一同頑張っていく決意です。

 

先日お越しになられた方は,私のブログをほぼすべてお読みになられてから説明会にご出席されました。

もう200回近く更新しておりますし,読みにくい文面ですから大変な労力だったことと思います。本当にありがとうございます。

大学受験までの一貫した指導であること等,説明会にお越しになる前から当塾の指導方針にご共感,およびご賛同をいただけていたことがとても嬉しかったです。

 

3月の開塾の時点と比べて,生徒の数は随分と増えて賑やかになりました。

もちろん賑やかというのは騒がしいということではありません。当塾では授業中はもちろん,自習室においても私語をしている生徒は 1名たりともおりません。

夢や目標を持ち,意欲的に頑張れる生徒,そして在籍している生徒たちと高め合える生徒が今後も増えていくと良いなと思います。

 

写真は,当塾の教員が通っているフラワーアレンジメント教室でつくった作品です。今回のテーマはクリスマスだそうで,回を追うごとに作品のレベルが上がってきているのが伝わります。

その後ろには高2生が物理の質問をしている様子が写っています。

この生徒の11月の進研模試における物理の全国偏差値は 68.7。在籍は長良高ではありますが,飽くなき探究心を持って日々の学習に励み,数学と併せて順調に結果を残してくれています。

 

将来設計指導《12月度》

 

本日,第7回目となる将来設計講座『みらい』を実施しました。

今回は “プロフェッショナルから学ぶ” をテーマに,大学院を卒業後,JR 東日本で勤める私の教え子を招き,小4生から中2生を対象に講演を聴いてもらいました。

 

 

本日実施した講演の骨子は以下の通りです。

 

・中学生および高校生の頃を振り返って (取り組み全般,高校受験,大学受験)

・なぜ現在の職に就いたのか

・仕事内容の紹介と仕事のやりがい

・今後の目標

 

彼が勤める JR 東日本は,山手線や中央線といった路線を抱える日本最大の鉄道会社です。

その事業フィールドは鉄道網というインフラだけでなく,Suica に代表される IT 事業,百貨店やエキナカの整備等の生活サービス事業,車両製造業など多岐にわたります。

 

 

今回の将来設計指導では,仕事にはさまざまな形があり,1つの企業の中にも多種多様な仕事があることを知ってもらうことが狙いでした。

これを受け,彼には自身の日頃の業務の紹介だけでなく,JR 東日本の企業紹介も行なってもらいました。

例えば鉄道の車掌や運転士といった子どもたちにも身近である職業の話や,その他の事業フィールドの話に,生徒たちは興味を持って耳を傾けていました。

 

 

私が彼を指導していたのは,彼が中2生から高3生だった頃の 5年間です。

彼が高校を卒業してからもう10年が過ぎましたが,当時も今と変わらず本当に真面目な性格で,熱心に学習に励んでいたことが思い出されます。

10月に今回の講演の話を持ちかけたところ快諾してくれ,帰省も兼ねて今回の講演に至りました。

 

数学 IA を学年を縦断して対決!

 

当塾の教員が昨年12月に実施された全統センタープレテストの数学 IA の問題を持っていたので,本日試しにいろいろな生徒に解かせてみました。

この時の全国平均点は56.2点で,87点で全国偏差値がおよそ65に到達するという水準です。ちなみに,岐阜高の平均点は74.1点でした。

 

今年の全統センタープレテストはすでに実施済みで,結果の返却も始まっています。

“過去問” であるこの素材は,当然ながら高3生には解かせていませんでした。まあ,模試の過去問に実施の直前に取り組ませ,それを使って得点が取れたところで意味がありませんからね。

 

まず,昼にやって来た滝中に通う中3生。

驚くべきことに90点という結果 (もちろん60分きっちり計っての結果) で,全統センタープレテストの偏差値に当てはめると70を超えます。

一般的な中3生であれば高校入試前で岐阜新聞テスト等を受けている時期ですから,通常よりも 1年以上早いペースで仕上がっているということになります。

なお,彼女は以前のブログでも紹介しており,たまに実施するこのセンター形式演習がとても楽しみなのだそうです。

 

夕方,中3生が90点を獲得したと聞きつけて高3生の 3名が挑み,それぞれ88点 (岐阜北高・理系),84点 (長良高・理系),75点 (岐阜東高・理系) という結果でした。

これまでの全統模試などでは数学 IA は 9割を超える結果を残しているメンバーですが,今日は「模試よりも緊張した」とセンター試験に向けては良い調整になったようです。

ただ,結果として中3生に後塵を拝してしまったことを相当悔しがっており,本番ではしっかり結果を残せるよう私からも喝を入れました。

 

続いて,夜に来た高1生 (長良高) に解いてもらったところ,75点という結果でした。まあまあといったところです。

彼は先日のブログでも紹介した,『赤チャート』に取り組んでいる高1生です。

現時点では時間管理に課題がありますから,今後速く解き切る力がつけば早い段階で 9割を超えられると思います。

 

最後に,20時を過ぎてふらっと自習室に来た,前述した生徒とは別の滝中の中3生。

「僕もやりたい」と言うので取り組ませてみたところ,69点という結果でした。

これだけを見ると平凡な結果にも見えなくもありませんが,先日学校で受験した模試 (Z会模試) では滝で 9位。自習室にも足繁く通う,非常に伸びしろのある生徒です。

 

なお,高2の集団指導コース在籍生には 8月25日の時点で解かせており,上位 3名は87点 (長良高・理系),80点 (岐阜高・理系),77点 (岐阜高・理系) で,平均点は67.3点でした。

実施から 4ヶ月が経ち,当塾の高2生たちはこの 3名を含めた他の生徒もすでにセンター試験の数学 IA であれば軽く 9割を超える力を有しています。

彼らにとってはセンター試験までおよそあと 1年となりましたが,数学 IIB のセンター形式演習も来月から開始しますし,数学だけでなく他の科目も非常に順調に仕上がってきています。

 

中3生から高3生と,4学年も縦断して同じ素材で対決ができるというのは非常に面白いなと思った一日でした。

 

当塾の高校生の進路指導方針

 

当塾には高校生に内申を稼がせて,推薦で大学合格を目指すという選択肢はありません。

安易な近道を探ることなく,すべきことを淡々と熟したうえで門戸の広い一般入試で合格を勝ち取らせるというのが当塾のスタイルであり,これは揺るぎない方向性です。

 

先日のブログで高校生の定期テストに関して話題を上げましたが,この際に紹介した生徒以外にも定期テストできちんと得点できている生徒がいることがわかりました。

数名の生徒に聞き取ったところ,岐阜高の高2生 (理系) が後期中間テストで数学 III が95点で数学 B が93点だったそうで,100点ではないにしてもなかなかの結果と言えます。

他にも岐阜東高の高2生 (文系) が同じく後期中間テストで数学 II が100点,数学 B が95点,日本史が97点,古典が93点,英語が92点と91点など非常に頑張っています。

確たる目標を持って日頃からきちんと努力していればテスト直前にバタバタする必要もなく,過去問や予想問題がなくともこれだけの結果は残せるというわけです。

 

というより,学校の授業をきちんと聞き,教科書や参考書 (数学で言うと『Focus Gold』や『チャート式』) を理解し,傍用問題集を熟しておけば定期テストにおいて得点は取れます。

予想問題や『これさえ取り組んで (または,覚えて) おけば得点できる』的なまとめプリントのようなものはまさに “急場凌ぎ” に過ぎず,受験に向けては負の遺産を増幅させるだけです。

 

先述のような感じで当塾の生徒たちは定期テスト結果もなかなか良好のようですが,それでも当塾は上記した信念を曲げるつもりはありません。

大学は入学することが最終目標ではないからです。

 

大学に入学することが最終目標であれば,推薦という形態でもいいのかもしれません。

しかし,高校生は大学受験に向けた渾身の学習を通じて多くの一般教養を得るとともに,計画性や思考力,そして強靭な精神力および忍耐力を手に入れます。

大学の一般入試合格に向けてのプロセスは,社会に出てから求められるあらゆる素養が詰まっていると言っても過言ではないのです。

 

長い時間をかけて知識・理解を積み上げ,それらを熟成し,そして使い熟せるまでに昇華させる作業。

模試等で思うように得点が伸びない時には悩み,その状況を打開するべく努力し,考え抜き,または助言を得ながら解決策を見つけ出していく作業。

これらは大学に推薦で入学する高校生がほとんど体験しないプロセスですから,持論ではありますが,一般入学生と比べて推薦入学生は多くの点で分が悪いということは言うまでもありません。

一般入試で大学 (競争原理の働いているところに限る) 受験に臨むあらゆる準備が,人としての成長にもつながると私は考えます。

 

ただ,一般入学生であっても,そのプロセスが中途半端なものであれば推薦入学生と何ら変わらないどころか,むしろその価値は下がると思います。

高校生活を満喫,例えば進学校に通っているのに部活がメイン,次に遊び,時間が空けばスマホ三昧…。進学校に通う高校生であっても,こんな惨状があることを耳にします。

何をするにしても中途半端はいけません。部活も否定はしませんが,その分遊びや睡眠時間を削ってでも学習に時間を充てる気概がないとだめです。

 

夢を持ち,愉しみながら努力を続けられる高校生は素敵だと思います。それは学習であっても,スポーツであっても,芸術であってもよいと思います。

当塾は学習面のサポートを行なう機関ですから,教科指導や対話を通じて生徒たちの夢の実現の後押しをすること,そして良質な学びの環境を提供することが主な仕事です。

とは言っても,これまでのブログでも散々申し上げているように,その過程において生徒に楽をさせるような方法,言わば “お膳立て” の提供は行ないません。

成長を阻害する “お膳立て漬け” にすることなく,夢に向かって頑張ることの意義を教えることが私たちの使命だと考えております。

 

各種報道等からも明らかなことですが,大学を出ていれば職に就けるという時代は終わりました。

25年前と比較して同世代に占める大学入学者の比率は実に 2倍に達しており,大卒の肩書が持つ “ブランド力” は著しく低下しているのです。

私大は定員のおよそ半分,国公立大は15%が推薦での入学だそうですが,国公立大でさえ学生に対して高校履修内容の補習指導を行なうところがあると,耳を疑うような話も聞こえてきます。

また,全てのケースが当てはまるわけではありませんが,推薦入学生は就職において不利になるという見方が根強いのが事実です。

 

こういったことからも,先日のブログでも書いたように『大学入試改革』が行なわれるのです。

若い世代が考える力を失えば失うほど国力が低下していくのは明白ですから,楽をして大学に入学することが横行する現在の風潮にメスを入れるというわけです。

 

最後に,誤解のないように申し上げておきますと,私は推薦入試すべてを否定しているのではありません。

推薦で入学するにしても,高校在学中に各科ともセンター試験レベルの学習を積んでおき,一般入学生と遜色ない基礎学力・一般教養を有しているのであれば話は別です。

 

定期テストで100点!

 

岐山高の理系の高2生が,先日の後期中間テストの数学 B と化学で100点を取ってきました。

他には生物が90点,英語が89点と84点,古典が88点など,定期テストにおいてもよく頑張っているようです。

 

彼女はつい先日までこの結果を私に報告していませんでした。というのは,私が定期テスト結果には興味がないだろうと思っていたからだそうです。

先日のブログでも申し上げましたが,これはまさにその通りです。でも100点はすごい。思い切り褒めてあげました。

 

当塾には中学生・高校生を問わず,定期テストで100点を取ってくる生徒は結構いるのですが,今回の彼女のケースを含め,これらは過去問や予想問題を駆使した結果ではありません。

というより,当塾ではそのいずれも用意しておりませんし,定期テストも実施後の質問に答える際に目にするくらいのもので,正直なところ,どんな問題が出題されているかも把握していません。

今回の100点という結果は,過去問や予想問題といった “お手軽なもの” に頼ることなく日頃からコツコツと頑張り,納得のいくまで質問を繰り返した彼女の努力の証なのです。

 

ちなみに11月の進研模試でも数学の全国偏差値が 67.9。これは高1生の 1月時点の全国偏差値 58.5 と比較すると飛躍的に向上していますし,自己ベストも大きく更新しました。

彼女は『成績の上がっている生徒が多い』と題した先日のブログにも登場しておりますが,今年の 3月の入塾以来,夢を持ち,その夢のスタート地点に立つために本当に頑張ってきました。

授業のない日も自習室に足繁く通ってくれていますし,どの科目も質問を頻繁にしてくれますから当然と言えば当然の結果です。さらに向上させると私は見ております。

生物・化学もなかなかの結果を残したうえに,『解決!センター』(Z会出版) の地理が間もなく 1周目が終了というところまで進んでいますから,今後も非常に楽しみな生徒の一人です。

 

ただ,進研模試受験者で全国の上位 5%以内に入るこの結果でも,当塾内の集団指導コースでは16名中の10位という結果です。

受講生たちは順調に力をつけています。とは言っても常に張り詰めた空気感ではなく,休憩時間などは和気藹々と和やかな雰囲気で過ごしているところが素敵です。

彼らは今後も各種試験の予想問題といった安易なものに頼ることなく愉しみながら学習を重ね,かつ切磋琢磨し合いながら,より大きな力をつけていくことでしょう。

 

なお,先日のブログでもお伝えしたように,高2生の集団指導コースは定員に達しているため募集を行なっておりません。

 

高校生向けの参考書・問題集 Vol. 001

2015.12.16_for blog_101

 

当塾が高校生に向けて推薦している参考書・問題集の数々。

私自身が受験生の頃に使用していたもの,私のこれまでの教え子たちが使用して結果を残してきたもの,また,私が書店で実際に目を通して有用と思えるものを並べてあります。

 

ここにはいわゆる “基礎レベル” の問題集は並んでおりません。

その理由は,数学だと『4STEP』のような学校で購入する素晴らしい傍用問題集がありますし,当塾の授業で使用しているテキストもありますから不要というわけです。

まずはこれら傍用問題集を含めた基礎的なものをじっくりと熟すことが先決であり,基礎を腹落ちさせていない状態で実戦的な問題集に取り組むなど愚の骨頂です。

 

同時に,ここには『〇〇日で完成!』などと謳ったり,『世界一わかりやすい』などと首を傾げたくなるような大仰なタイトルが付された “お手軽なもの” は一切ありません。

偏った知識や薄っぺらい知識を獲得したところで “真の実力” は身につかないことは明白ですし,私たちは学習とはそういうものではないと考えているからです。

 

これまでのブログでもたびたび申し上げているように,当塾は過去問ならびに安易な予想問題に頼らせない指導を実践しております。

このことからも,その科目を愚直に,言わば “探究する” ための参考書・問題集をセレクトしてあるというわけです。

当塾の教員が生徒に対し,ここにある書籍を広げて高校レベルにとどまらない化学や物理学,生物学の談義を繰り広げている様子なんかを見ると嬉しくなります。

 

2015.12.16_for blog_102

 

生徒に購入するよう指示し,実際に自習等で取り組ませたり授業内で使用したりという書籍もありますが,ここで目にした書籍を生徒が自主的に購入して取り組んでいる姿を見かけます。

参考書・問題集というのは、その状況により使い分ける必要があります。

どのレベルの受験生にもフィットする “万能なもの” というのはありませんから,現在のレベルならこれ,次の段階はこれ,といったように適宜使い分けて “真の実力” を獲得していくのです。

 

今後のブログで,当塾が薦める各科の参考書・問題集を紹介していこうと思います。

 

『新テスト』に向けた当塾の取り組みの紹介

2015.07.08_for blog_001

 

以前のブログでも触れましたが,現在の大学入試センター試験が2019年度 (現在の中2生) をもって廃止され,それに代わる『新テスト』が2020年度 (現在の中1生) より導入されます。

今回のブログでは『新テスト』の現時点で判明している事柄と,それに向けた当塾の取り組みを紹介します。

 

『新テスト』は『達成度テスト』とも呼ばれ,具体的には『高等学校基礎学力テスト』と『大学入学希望者学力評価テスト』に分かれます。

テストごとの受験対象や位置づけ,および特徴を列記します。

 

『高等学校基礎学力テスト』は,高校の学習内容がどの程度身についているかを確認するという位置づけです。

受験は強制ではないものの,実質的には大学を受験する,しないを問わず,高2生以上のほぼ全員が受験することになると見込まれています。

 

『高等学校基礎学力テスト』における試験科目は数学 I などの必修科目で,出題形式は現在のセンター試験に近いものになるとのことです。

ただし,ペーパーテストではなくコンピュータ端末を用いる CBT 方式が導入されることになっており,本格導入となればこれまでの受験の風景が一変することになります。

結果については現在のセンター試験のような 1点刻みではなく,A や B といった段階別表示で学校と本人に通知されます。

 

『大学入学希望者学力評価テスト』は,大学入学を希望する高校生が大学教育を受けるために必要な能力を備えているかどうかを評価するという位置づけです。

その結果を大学入試の “受験資格” として使用することを文部科学省も積極的に進めようとしています。

『大学入学希望者学力評価テスト』は高3生以上での受験が予定されており,現在のセンター試験とは異なり年に複数回実施されます。

また,テスト形式は『高等学校基礎学力テスト』と同じく CBT 方式での実施が予定されています。

 

しかし,『高等学校基礎学力テスト』の問題が選択方式であるのに対し,『大学入学希望者学力評価テスト』は選択方式に加えて記述式の導入を目指すとされています。

『高等学校基礎学力テスト』がいわば “従来型” のテスト形式であるのに対し,『大学入学希望者学力評価テスト』 は「思考力」「判断力」「表現力」を問うものとされています。

問題も従来のような教科型の問題に加えて,合科型・総合型の問題が出題されることになっています (将来的には教科型の出題は廃止の方向で検討されています)。

また,英語に関しては TOEFL iBT や TEAP といった民間の資格・検定試験を活用するとされています。従来の「読む」「書く」「聞く」に加え,「話す」能力が問われることになります。

テスト結果についても『高等学校基礎学力テスト』と同じく,点数ではなく A や B といった段階別表示で本人に示されます。自己採点をする現在のセンター試験とは大きく異なります。

 

『高等学校基礎学力テスト』は2019年度から,『大学入学希望者学力評価テスト』は2020年度から実施されます。

詳細な内容等は現在検討が進められていますが,その基本方針である「新テストの実施方針」は2017年度中に公表される予定となっています。

 

先述したようにこれまでの “各教科型” とは異なる “合科型⋅総合型” となることが公表されており,その作問イメージおよびモデル問題は2016年度中に公表される予定です。

多くの受験生にとってほとんど経験したことのない出題形式ですから,早い時期からその対策に取り組む必要があります。

早いうちから学習習慣をつけておき,基礎学力や知識の定着を心がけるなど,今からでもできる対策をしておくことが求められます。

 

『新テスト』に向け,現在当塾が小学生の指導(国語⋅算数)に盛り込んでいることは以下の 5つです。

 

・単なる漢字の学習にとどまらない “語彙力” の獲得

・読書習慣を構築し,日々の読書を通じての “教養” の獲得

・自分の考えや意見を文章で表すことができる “表現力” の育成

・速く,かつ正確な “計算力” の育成

・多彩な図形に触れることにより空間認識能力を高める “想像力” の育成

 

『新テスト』は今のところモデル問題さえも提示されていない状況ですから,どのような出題形式になるのか,合科型とはどんなものなのか等,現時点ではまったく予想ができません。

しかし,テストがこれまでの知識偏重のものではなくなるとすれば,これまでのような問題集を多く熟せばよいという学習スタイルでは結果を残すことができなくなるのは明白です。

日頃の読書でさまざまな考えに触れることが必要になりますし,何より自分の意見をしっかりと持つこと,さらにはそれを文章および口頭で発信できること。こういったスキルが求められるのです。

 

当塾は,生徒たちにこういったスキルを身につけていただくことを目的としても,毎月の将来設計指導の実施や読書の推進を行なっています。

かつ,愉しみながら学べる環境づくりにも力を入れております。

 

 

中1生・中2生に対しては上記の取り組みに加え,アクティブ・ラーニングの手法を用いた指導を個別 CT の授業枠を用いて定期的に実施しております。

写真はグループでまとめた意見を代表者がプレゼンテーションをしている場面です。

 

  

 

お互いに意見を出し合い,グループとしての “答え” をディベートを通じて見つけ出す訓練です。それを最終的に 1枚の紙にまとめ,代表者にプレゼンテーションを実施してもらいます。

この日のテーマは『中国における一人っ子政策の緩和』で,多くの闊達な意見が出されていました。

 

 

とは言え,なかなか意見を出せない生徒がいるのも事実ですから,グループごとについている教員がサポートし,意見を言いやすい環境をつくりだ出します。

 

 

最後は生徒たちのディベートおよびプレゼンテーションを振り返り,私からのまとめを伝えます。

この取り組みは,定期テスト指導や受験対策一辺倒ではない,当塾の考える “将来を見据えた指導” の一環でもあります。

 

これからは定期テストで得点できればよし,高校に合格できればよし,では全く通用しなくなるのです。少なくとも 5年後からはそれがより顕著なものになります。

当塾が過去問や予想問題に頼らせない指導を実践している理由はここにもあるのです。