世界最古の大学はイタリアにあることをご存知でしょうか。
それはイタリア北部にある Università di Bologna (ボローニャ大学) です。
1088年の創立で,世界の大学の原点と位置づけられています。
ボローニャという地名を聞くと,スポーツ好きの私はサッカーで活躍した中田英寿氏と F1 ドライバーの故アイルトン・セナ氏の名前が思い浮かびます。
私と同世代だと頷けるという方も多いのではないでしょうか。
ボローニャは11世紀に入って学術都市として繁栄し,大学が設置されてからはヨーロッパ全土から人々が流入しました。
街の中には大学都市と呼ぶに相応しく美術館や博物館が多くあり,今もボローニャは学術都市としての地位を確固たるものにしています。
ボローニャ大学といえば法学部と医学部が有名です。
法学部ではコペルニクスが学んだことで知られており,医学部では教会の反発や妨害を押し切って世界で初めての人体解剖が行なわれました。
この逸話には,宗教と科学の対立の歴史を垣間見ることができます。
現在の学部は伝統ある医学部をはじめ23学部で,日本とは異なりイタリアの教育制度では学部を問わず誰でも無試験で入学できます。
ただし,定期試験はそのほとんどが口頭試問ですから付け焼刃の学習で乗り切ることなど不可能であり,答えに詰まるとすぐに追い返されて単位を失うことになります。
教授たちは板書をしないため,学生たちは教授の言葉を一言一句聞き漏らさずノートに書きとめて,録音したものを家でもう一度聞いてノートを整理する。
日本の大学生とは比較にならないほど熱心に学業に励む大学生が多いのです。
こんな毎日ですから,ラウエア (学位) を取得して卒業するまでには入学者の過半数が脱落していくという非常に厳しい大学生活です。
日本のように入学時に厳しい競争のある制度と,イタリアのように入学は容易でも卒業が難しい制度。
いずれの制度下においても明確な目的意識がなければうまくいかないことは明白ですから,将来を見据えた日々の過ごし方が必要であるということは言うまでもありません。
当塾に通う子どもたちには,ただ点数が取れればよいとか受験さえ合格できればよいという安易な考えを持たせないように,今後も “将来を見据えた指導” を展開していく所存です。
写真は今回のブログとは直接関係ありませんが,以前のブログで紹介した『琵琶湖畔にて撮影した夕陽』 が沈んだ後に同じ地点から空を撮影したもので,これも私のお気に入りの 1枚です。
ボローニャ大学の写真が手に入ったら差し替えます。