8月末に実施された第2回全統記述模試の結果返却が始まっており,当塾の高3生 ( 8期生) 諸君から続々と報告が寄せられています。
今回の全統模試は,現役生と過年度生を合わせて約25万人が受験したとのことです。
現役生のみの受験で,かつ一部の高校では不採用の進研模試とは異なり,全統模試は国公立大を志望する受験生が多く参加していることから駿台模試と併せて私が非常に重要視している模試です。
主要科目の当塾内 1位は以下の通りです (全員が受験した英語のみ系統別で掲載)。
英語 ※ 249,114名が受験 (全国平均点は 79.1点/200点)
[理系 1位] 166点 (全国偏差値は73.1)《岐阜高 (高校内順位は17位) 》
[文系 1位] 151点 (全国偏差値は69.1)《岐阜北高 (高校内順位は15位) 》
数学 (Ⅲ型) ※ 95,093名が受験 (全国平均点は 73.5点/200点)
[ 1位] 143点 (全国偏差値は66.7)《岐阜高・理系 (高校内順位は31位) 》
数学 (Ⅱ型) ※ 79,722名が受験 (全国平均点は 63.2点/200点)
[ 1位] 120点 (全国偏差値は67.9)《岐阜東高・文系 (高校内順位は 1位) 》
国語 (現古漢) ※ 133,346名が受験 (全国平均点は 71.9点/200点)
[ 1位] 121点 (全国偏差値は69.5)《岐阜高・理系 (高校内順位は27位) 》
全統模試における「全国偏差値65」は難関大突破のボーダーラインに当たりますから,旧帝大や医学部医学科を志望するのであれば二次で必要などの科目も65を超えていきたいところです。
英語に関しては塾生の半数がこの基準を超えましたが,残念ながら今回は多くの塾生が数学で得点を伸ばせませんでした。
また,志望校判定に関しても多くが B以上だったものの,全体的に結果は芳しくなく改めて気を引き締める良い機会になったと考えています。
彼らには入試本番はもちろんのこと,オープンや実戦といった冠模試を含む残りの模試に向けてしっかりと取り組むよう伝えました。
全統記述模試の数学は,受験生が必要に応じて以下の 3パターンから選択する形式となっています。
・Ⅲ型(数学ⅠA・ⅡB・Ⅲ)※ 今回の受験者数は95,093名 (構成比51.3%)
・Ⅱ型(数学ⅠA・ⅡB)※ 今回の受験者数は79,722名 (構成比43.0%)
・Ⅰ型(数学ⅠA)※ 今回の受験者数は10,405名 (構成比 5.6%)
「Ⅲ型」は理系生,「Ⅱ型」は文系生と数学Ⅲを必要としない理系生が受験していると思いますが,「Ⅰ型」はどういった受験生が選択しているのでしょうか。
受験者数で比較すると,数学「Ⅰ型」の受験者数は一般的な「Ⅱ型」「Ⅲ型」のそれと比較すると極端に少なく,率で見ても数学受験者のわずか 5.6%に過ぎません。
当塾には今回を含めて過去にも「Ⅰ型」の受験生はいないため,どんな受験生がどういった目的で「Ⅰ型」を選択しているのか非常に興味があります。
私は国公立の二次試験で数学を課す大学・学部において数学ⅠA のみで受験できるところを知りませんから,おそらく「Ⅰ型」を受験しているのは私立大を志望する文系生の一部だと推定されます。
しかし,きちんと調べてみると,文系の私立大でさえ東海地区は南山大・愛知大・中京大・名城大は数学ⅠA での受験ができないようですし,早慶や MARCH はもちろん関関同立も同様に不可。
近年,入試形態が多様化してきているとは言え,主要大学の受験に使えず選択肢が大きく狭まってしまうという意味でも,私なら「Ⅰ型」は絶対に勧めませんね。