授業後の時間帯になると,高3生が写真のような “討論する” または “教え合う” 光景が塾内のあちこちで見られます。
写真は化学の二次試験問題の解説講義を受けた後,討論を行なっている様子です。
今年度の高3生は,“討論” および “教え合い” を通じて地理や日本史でかなり成果を上げました。
彼らのセンター試験本番における日本史の平均点 ( 8名) は 83.7点で最高点は100点,同じく地理の平均点 ( 9名) は 80.4点で最高点は 95点という結果を残しています。
いずれも平均点で 8割を超える結果を残してくれましたが,地理は 5月の全統マーク模試では散々な結果で,彼らの地理の平均点は 5割に届いていませんでした。
これを打開するために導入したのが “討論” および “教え合い” というわけです。
日本史および地理は全範囲の講義を夏までに終えて素地をつくり,以降,講義はたまに行なう程度とし,生徒たちに演習 + 討論の形態を続けさせました。
理系生にとって日本史や地理といった社会科の学習は捗らないばかりか,どうしても後回しにしがちな科目です。
しかし,彼らは “討論” および “教え合い” で楽しみながら日本史や地理に取り組めていましたので,結果的に彼らの得点は飛躍的に伸びました。
なお,“討論” および “教え合い” は完全に生徒任せにはせず,写真のように教員が仲介に入ってサポートすることもありました。
ともすれば,“討論” および “教え合い” はただの “雑談” に終わる可能性も否定できませんし,ダラダラと長い時間をかけたところで生産性が上がらないこともあります。
『ラーニングピラミッド』という概念をご存知でしょうか。
『ラーニングピラミッド』はアメリカ国立訓練研究所という機関が発表した研究結果で,学習方法による知識の定着率を表したものです。
近年では学校現場でのアクティブ・ラーニング熱の高まりとともに,書籍やネット上で『ラーニングピラミッド』のような概念図を目にする機会も増えました。
図中の定着率を鵜呑みにはしませんが,単なる座学よりも “討論” および “教え合い” を経たほうが定着率が高まるということは,当塾の高3生の成果を見ても明らかです。
講義を受けるだけ (映像を見るだけ),または本を読むだけでは限界がありますからね。
それでは,“討論” および “教え合い” はどんな生徒にも有効かと問われれば,私は No と答えます。
導入部の学習においては講義や読書を通じた学習は絶対に欠かせないものであり,基礎の段階から “討論” および “教え合い” をするのは非効率です。
また,生徒間の学力差が大きいと “討論” および “教え合い” の効果性は下がると考えます。
知識の定着に向けた手法は様々であり,何も机に向かうだけが学習ではないのです。
当塾は今後も生徒たちに様々な学びの機会を提供し,将来に向かって取り組める子どもたちの育成に力を注ぎます。