学力向上,または得点力向上は時間がかかるものであり,非常に根気のいる作業です。
中学校の定期テストのレベルならまだしも,高校生,特に難関大の入試に向けてとなれば,そう生易しくはないというのが現実です。
よく「偏差値30からの…」などという嘘か真かわからないような話を市中で耳にしますが,そんなものは1,000人に 1人も当てはまらないと考えた方が良いでしょう。
成績を上げよう,得点力をつけよう。世の中には学力向上,または得点力向上が容易く実現できるかのような発信が溢れています。
チラシ,書籍,Web など媒体はさまざまですが,学生の楽をしたい気持ちに付け込み,無責任なことを吹聴するのはいかがなものかと考えてしまいます。
私は塾で指導をするようになって今年で20年目となりますが,私には短期間で簡単に成績を上げる方法があるとは思えません。寧ろ,そんな方法があるなら是非とも教えてほしいくらいです。
そもそも,そういった方法論を伝授する塾や予備校があるなら,その塾・予備校は全生徒とも隈なく成績向上を実現し,入試では全員が志望校に合格し,不合格者は出ないはずですからね。
各種テストの “予想問題” をばら撒く行為も同様で,以前のブログでも申し上げた通り,そういった行為は無責任極まりないものと考えております。
また,上記のようなものに縋り,楽に成績を上げたいと考える学生に限って遊ぶ時間は豊富にあったり,暇さえあればスマホ三昧というケースが多いのです。
以前のブログでも申し上げましたが,「学問に王道なし」とはうまくいったものです。
先日までのブログでも紹介したように,当塾の高3生たちは『全統マーク模試』である程度の結果を残すことができました。
しかし,正直なところ,学年全体を見渡して “もともと学力が高い” ということも決してありませんし,この学年には驚くほど “突き抜けた学力を持つ” 生徒はいません。
ただし,彼らは “継続した努力” ができます。環境を与えつつ,私たちはそれをサポートしているに過ぎません。
周囲が部活や遊びに勤しんでいる中,彼らはテスト前でなくとも授業のない日や日曜日に当塾の自習室へ来ていましたし,目標を持ち,かつ計画的に各種取り組みを継続してきました。
質問に関しても,単に答えや解法を聞いて終わりではなく,「わかったつもり」を避けるべく “プロセスの理解” を積み重ねることを指示してきました。
ですから,当塾の生徒たちが残した結果は偶然ではなく必然の結果であり,1年以上かけて醸成してきた素地があったからこそ残すことのできた結果と言っても過言ではないのです。
このブログをつくっている間,教員テーブルに多くの生徒が集まってきました。
日曜日の自習時や日頃の授業後は,いつも写真のような感じで生徒たちが教員を囲んでさまざまな科目の質問をしています。これは,テスト前に限った話ではありません。