『基礎英文法問題精講』(旺文社) と『基本英文700選』(駿台文庫) を当塾の高2生が取り組み始めています。
いずれも古くから多くの受験生を支えてきた伝統ある 2冊ですから,きっちりとやり遂げれば大きな成果が出ることは間違いありません。
『基礎英文法問題精講』は幅広い受験生・成績層をカバーする 1冊ですが,『基本英文700選』は和文英訳問題や要約等が出題される難関大志望の上位生に限られる 1冊です。
先日のブログでも紹介したように,私も高1生の終わり頃からこの 2冊に取り組み,大学入試英語の土台をつくり上げました。
『基本英文700選』に関しては使い手を限定するばかりか,さらには時代にそぐわない等の声もあると耳にしています (当塾の高2生は 4名が取り組んでいます)。
しかし,和文英訳力の素地をつくるために引き出しは 1つでも多いと良い,さらには英文和訳力をつけるために短文で解釈の練習をするのに素材が非常に素晴らしい。
この考えのもと,私は『基本英文700選』をいけると判断した生徒たちに薦めているのです。
『基本英文700選』に取り組んでいる生徒たちが,「この英文の構造は自分の解釈で間違いないか」または「なぜこの訳出になるのか」と,ノートを持って私のところへやって来ます。
日々の学校の課題はもちろん,他科目の学習にもしっかり取り組み,さらには当塾からの課題も熟しつつ,こういったプラスアルファの学習に取り組めることは非常に大切です。
試行錯誤を繰り返し,一つひとつの理解を積み上げ,それらを腹落ちさせることによって英語力は形成されていくのです。
写真は私が大学受験時に使用していた『基本英文700選』の 1ページで,高2生の頃 (今から20年以上前) に記入した書き込みです。
英文を構成要素ごとに分け,SV の結びつきを中心に英文全体を俯瞰して訳出を考え,自身の訳出と提示された日本語訳とを照らし合わせます。
解釈に間違いがないことを確認してから英文と日本文をひたすら書き,いずれも暗記するという作業を繰り返しました。
1周目を終えるのに 4ヶ月程度を要し,2周目・3周目でもすべてを覚えきることはできませんでしたが,以降は徐々にペースが上がり,開始から 1年でようやく定着させることができました。
非常に地味な方法ではありますが,学習とはこういうものなのです。安易な近道など存在しません。
数学の学習と同じでまずは “型” を身につけ,あとはそれを使い熟していくということが求められていますから,無暗に問題を解きまくって身につくスキルではないということです。
長文読解問題などのいわゆる総合問題は,語彙が落ち着き,文法が仕上がり,上記したような短文での解釈に繰り返し取り組んでからでも遅くはありません。
ですから,当塾の高校生集団指導コースでは,長文読解問題・総合問題の類は高2生の 1月からしか実施しません。
模試の対策と称して早期から付け焼刃的な総合問題の演習を繰り返したところで,長い目で見た学力は身につかないのです。