今春の高校別の東京大・京都大の合格者数がおおよそ判明しております。
岐阜県内の東京大・京都大の合格者数,および高校別の合格者数は以下の通りです。
東京大16名 (昨年30名)
《内訳》岐阜高12名,可児高 2名,大垣北高 1名,岐山高 1名
京都大43名 (昨年46名)
《内訳》岐阜高15名,大垣北高 8名,多治見北高 4名,関高 3名,可児高 2名,岐山高 2名,岐阜北高 2名,麗澤瑞浪高 2名,斐太高 1名,鶯谷高 1名,岐阜東高 1名,高山西高 1名,美濃加茂高 1名
東京大の合格者数がおよそ半減など,いずれも昨年より合格者数が減少しております。
東京大・京都大に合格することがすべてではありませんし,岐阜大などの国公立大医学部に優秀な受験生が流れたために上記のような結果になったと考えられなくもありません。
しかし,旧帝大をはじめとするいわゆる難関国公立大は都市部の私立中高一貫校に分があると言わざるを得ないというのが実状です。
その最たる例が,私の実家のある奈良県の数字に表れています。
奈良県内の東京大・京都大の合格者数,および高校別の合格者数は以下の通りです。
東京大65名 (昨年62名)
《内訳》東大寺学園高32名,西大和学園高28名,奈良高 2名,帝塚山学園高 2名,奈良学園高 1名
京都大232名 (昨年212名)
《内訳》西大和学園高81名,東大寺学園高70名,奈良高35名,帝塚山学園高17名,奈良学園高 7名 ほか
突出した 2高は私立中高一貫校であり,4位・5位も同じく私立校です。
奈良県の人口は岐阜県のそれよりも少なく 3分の 2ほどですが,東京大・京都大の合格者数でこれほどの差が生まれるのは理由があります。
この 2高が優れた教育を実践していることによって,奈良県内に限らず県外からも優秀な生徒を集めることに成功しているのです。
今回,こういった論調で話を進めている背景に,6年後の大学入試改革への危惧があります。
2021年春以降に大学へ入学する高校生,つまり今春に中学校へ入学した学年と現在の小学生は,現行のセンター試験が廃止されて全く異なる形式で入試が行なわれることが決まっております。
名称も『達成度テスト』(仮称) と変わり,新たなスタートが切られるのです。
制度設計中の段階ではありますが, かなり確実であろう事柄に『複数回受験』が可能になるとのことです。
現在のいわゆる『一発勝負』に対する批判からこのような案が出ているものと思われます。
しかし,これが実行されることになれば,早い段階で高校履修内容を修了する私立中高一貫校にとってはより有利な条件が揃うことになるのは間違いありません。
進路探究塾 Mirai には私立中高一貫校に通う生徒も在籍しておりますが,多くが公立中・公立高の生徒ですから,どの生徒にとっても受験時に不利にならないような指導を実践していきます。
なお,新中1生はこれを見越した全く新しいカリキュラムを準備し,指導にあたっています。
私たちが見ているのは,中学生で言えば定期テストや高校入試といった目先のものではなく,もっと先にあるものなのです。