これと決めた 1冊を究める 《続編》

 

私が高校生の頃,受験英語の仕上げとして取り組んだ参考書が『英文解釈教室』(研究社) と『英文和訳演習 上級編』(駿台文庫) の 2冊です。

 

この 2冊に高2生の秋から取り組み始め,およそ半年間かけて完結させました。

なお,英単語は先日のブログでも紹介した『速読英単語 必修編・上級編』(増進会出版社 (現 Z会出版)),英文法は『基礎英文法問題精講』(旺文社) を完結して上記の 2冊に取り組みました。

 

これ以外はというと,模試の振り返りをじっくりと時間をかけて取り組んだり,日頃から英英辞典 (OALD) を引いたり,英字新聞を読んだりという程度でした。

語彙力がしっかりとついていれば,“特別な何か” に取り組む必要はないのです。

 

私は英語だけでなく,どの科目も基本的に各テーマごとに 1冊 ( 1種) というスタンスを崩しませんでした。

科目を問わず多種多様な参考書・問題集が出版されていますが,複数冊を表面的に,ではなく,これと決めた 1冊を 3~4回繰り返して徹底的に理解する。

コンサバティブと言えばそれまでですが,これはどの科目においても私が大切にしてきたことで,数学は『赤チャート』と『オリジナル』,化学・生物は『重要問題集』を徹底的にといった具合です。

 

進路探究塾 Mirai の生徒たちはもちろんのこと,私のこれまでの教え子たちにも同様の取り組みをさせてきました。

基礎基本の徹底なくして学力向上はありえません。「学問に王道なし」という諺もあるように,学習を進めていく過程に近道はないのです。

これは,どんなに時代が進もうとも,変わることのない普遍的なことです。

 

話を『英文解釈教室』と『英文和訳演習』に戻します。

 

『英文解釈教室』と『英文和訳演習』で扱われる英文のレベルは難解なものが多く,とにかく文構造が複雑です。

私はじっくり時間をかけて一つひとつの英文を精読し,書き上げた和訳を解説のものと比較し,文中に用いられている文法の紹介や訳出における工夫などの解説を読み込んでは理解する。

この作業をひたすら繰り返しました。

非常に地味な作業ではありますが,この 2冊が私の英文和訳力の礎を形成し,精読力をつけてくれたといっても過言ではありません。

 

一昨年度は京都大,昨年度は東京藝大と,英文和訳の力が試される大学を受験する生徒を指導してきたこともあって改めて精読することの重要性を感じました。

開塾したばかりの進路探究塾 Mirai においても,大学受験で大きな成果を上げる可能性が非常に高い生徒たちが多く入塾してくれました。

私の英語の授業のみならず,数学・国語・物理・化学・生物・日本史・地理・倫理政経のどの科目においてもさらに精度を高めることが,彼らの期待に応える唯一の方法です。

 

生徒たちの夢の実現に向け,共に頑張っていこうと改めて決意した次第です。